★(820) 時間と潮は人を待たない・・Time and tide wait for no man.
- (2021-01-13 05:39:00)
有明海の潮が満ちてくるときの記憶。日本で一番激しい干満差がある海。潮が満ちはじめるときの光景がすごかった。完全な干潟状態で潮干狩りをやっていると、遠くから水の音がしてくる。
「ザワザワザワ」とか「サー」という感じの音。
まるで乾燥しているかのような音。なんだろうと、その方向を見渡せば、地平線の彼方に一直線上に白い波が大地を這うように近づいていた。
「おお、潮が来る」と思った瞬間、自分の足下にまで潮が押し寄せ、みるみると水位が上がっていく、干潟状態から、わずか数分で、股下くらいまで水位が上がったと思う。
すぐに戻らないと危ないとボートに転げるように飛び込んだ。このときの恐怖と感動は、体が感覚として記憶していて、まだリアルに感じられる。
余談だが、ダムの放水や集中豪雨などで、川の水位が急激に上がり、おぼれる人がたまにいる。あの「あっという間に水位が上がる」恐怖は、経験してみないとわからない。川辺で、のんびりバーベキューしている人々が、上流のダムが放水したと聞いても、なかなか行動に移せないのもわかる。
A rising tide lifts all boats.
Every flow must have its ebb.
Time and tide wait for no man.
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