新規参入ネット通販、初心者のショッピングカート選び
- (2012-11-29 05:18:54)
小規模・新規参入する初心者には難しいカート選び
小規模で新規に参入する通販事業者にとってショッピングカートの選択は、オペレーション負荷の大半を決定づける要因。なるべく自分のビジネスにマッチしたベストなサービスを選びたいと感じているし、そうしないと通販ビジネスの運用コストは致命的。ビジネスの勝敗を分ける要因にさえなりかねない。
しかし、通販ビジネスを体験したことがない人が、自分のビジネスに適切なサービスを選択することはかなり難しい。だいたい選ばれるのは、大量の広告を波状投下している大手さんか、サービスの比較評価サイトを参考に選ぶことになる。
インターネットでは「大手さん = 品質がよい」という過去の公式は成立しない。NTTさんのように死に体状態に陥っている大企業さんも多い。
比較評価サイトは、アフィリエイトが多くおすすめできない
サービスの比較評価サイトは多くの場合、ボランティアではなくアフィリエイト。その目的は特定ベンダーへ誘導して金銭を得ること。
しかも、そもそも通販ビジネスの体験者ではない人によって書かれているので、歯が浮きそうな情報も掲載されていることも珍しくない。オススメできない。
そこで今日は、ネット通販へ小規模・新規参入する初心者向けに参考にしていただければと思い書いている。
結論から言おう
まめまめねっと+がおすすめだ。できることが非常に多い。また極端に安価なので失敗すれば気楽にベンダーを移行できる点も安心。
会員登録型と非登録型カートの違い
ショッピングカートの分野で、市場シェアが高いカラーミーやMakeShopなどは「会員登録型」のショッピングカート。会員登録型はポイントサービスなども付与できるし、ユーザーは毎回、住所などを記入する必要がないが、欠点も大きい。
(1)ID・パスワードの管理が煩雑(今時のネットユーザーは、100も200もID・パスワードを所有している。その管理は煩雑)
(2)顧客情報がベンダーに帰属する、またはベンダ-サイドに顧客情報を保管するセキュリティ上のリスク
(3)ID・パスワードの他社サービスへの移行は技術的に厳しい。特にポイントデータなど付加価値サービスなども実施しているとサービスベンダーの変更ができなくなるリスク
特に(3)の乗り換えが効かなくなるリスクは大きい。契約したら逃れられないアリ地獄となる。
ショッピングカートに要求される機能は少ないが奥は深い
ショッピングカートに要求される機能は基本的にシンプル。下記の3点:
(1)配送先住所の入力
(2)支払方法の選択
(3)配送方法の選択
配送先住所の入力
これを満たさないショッピングカートはない。若干違うのは、氏名を姓名と名と分けて入力するかどうかや、住所の欄で集合住宅名を別枠で入力させるかどうか、くらいか。
あまり細かく分かれている記入欄はユーザーの利便性を無視した仕様でNTTさん系のお役所型発想のベンダーさんに多い。
支払方法の選択
これを満たさないカートはない。対応可能な支払方法の種類は、ベンダーさんによって多少の違いがある。現状ならPayPalに対応しているかどうかはまだ差が大きいが、おおむね大差は感じない。ただし、注文内容によって支払方法が制御できるかどうかは大きな問題。
たとえば、1万円以上は「銀行振込」や「コンビニ決済」ができなくなり「代引き」か「クレジット」しか選べなくなるといったことがリアルタイムに制御できるかとなるとベンダーさんごとの差は大きい。
配送方法の選択
配送方法の選択ができないベンダーさんはない。しかし、配送方法の選択は、これが意外と煩雑。たとえば、
・配送地域ごとに配送料金が違う場合
・重量によって配送料金が違う場合
・日時指定の有無
・クール便など付加価値があり料金が違ってくる配送方法
・代引きなど手数料が発生する配送方法
・メール便など配送可能な商品の重量やサイズに厳しい制限があるもの
つまり、パラメータが多数あって、それぞれの組み合わせによっては出来たり出来なかったり、料金が違ってきたりとリアルタイムで制限や料金変更ができるかとなるとベンダーさんごとにバラバラ。
たとえば、支払方法が「代引き」なら配送方法は、ヤマトの「コレクト」しか選べないようにリアルタイムでなって欲しい。これが「メール便」も選べたりするとおかしくなる。
たとえば、ある料金以上、ある重量以上は「代引き」しか選べないとか、日時指定は3日後先から選べるけど、発送日が休日・祭日なら4日後に自動変更されるかどうかなど。たとえば、「宅急便」なら日時指定できるが「メール便」なら日時指定ができなくなるなど。
「注文内容」x「支払方法」x「発送方法」の相関関係の制御
注文内容・支払方法・発送方法の相互の関係の制御は、いくらでも変則的な組み合わせでてくるので非常に悩ましい。
この辺の制御が設定として提供されているかどうか、ベンダーさんごとの大きな差になっているし、洗練された設定を提供できているベンダーは非常に少ない。もっとも優れたダントツのサービスは、トクトーク社の「まめまめネット+」だ。
「支払方法」と「発送方法」単一で固定するとどのカートでもよい
逆に通販サイドが様々な支払方法や発送方法をサポートせず、たとえば、支払方法はクレジットのみ、発送方法は宅急便のみ、といった感じで限定すれば、どのこショッピングカートでも大差ない。
Amazon社は、おおむね「クレジットのみ、宅急便のみ」といった感じの割り切り方と思うが(実際はコンビニ決済や代引きもやるしメール便も)、これも立派な通販スタイルと思う。
Amazonでは、注文時にコメント欄さえない設けられていない。コメント欄は、例外処理のリスクであり、意図的に設置されていないことは充分に推測される。さらに言えば、Amazonでは,配送日の日時指定さえできない。不便であるが、これも彼らの戦略と共感できる。
Amazonのように販売方式をシンプルにすることで、カートの機能に依存しない通販サイトを構築するという選択も一つの選択肢。
注文主とは違う人への別送先指定
プレゼントなどで別人に直送する場合などを想定したオプション。平均的なショッピングカートは実装されているが、中にはこのオプションを設定できないカートもある。
これはあれば便利だが、プレゼントなのに「代引き」が選択できたりするとおかしくなる。かといって代理注文であってプレゼントでない場合もあり、一意にシステム仕様が決められない点がトラブルの元で、煮え切らない項目。
顧客管理
当社は使用しないので、評価せず。
在庫管理
在庫切れを起こしたらメールしてくれるシステムが平均的だが、「残り○個」でアラームを送ってくるシステムが望ましい。
マーケティングオプション
アフィリエイトなどのマーケティングオプション。否定はしないが、アフィリエイトベンダーに固定費払っても回収できる通販事業者は1%もないだろう。
メールレイアウトの自由度も大きい
すべてのショッピングカートには、注文メールや注文明細の返信メールなど、定型文が用意されている。ところが、この編集自由度は雲泥の差で、変更できる部分が、ヘッダーとフッターのみだったりするベンダーさんも少なくない。
明細はシステムが自動的に吐き出すから、そこには手を加える必要はないという発想がベースとなっていると思われるが、通販ビジネスを日常的に運用している人間なら不満が残るところ。
注文メールや注文明細のトップにどんな項目をもってくるか、は非常に大きな問題である。メールはスクロールせずに読める部分に必要な情報が盛り込まれるべきで、デイリーオペレーションへの影響は大きい。
当社の場合、オペレーションでもっとも労力を時間を消費する作業は間違いなく「例外処理」である。通常処理ならコンピューターが全部処理するので100件の注文であろうと1,000件であろうと大差はない。
しかし、例外処理は一つ一つが人手の処理。どんな例外処理があるのか最初にチェックできるよう、メールのレイアウトや項目の順番には気を使っているが、これが存外できないベンダーが多い。メールレイアウトの自由度を決めるキーワードは「置換タグ」。
「置換タグ」を提供していないベンダーさんは当社の場合、検討対象にさえ入らない。「置換タグ」を提供している場合でも、わずかな種類しかないところが多い。「置換タグ」が最も多く豊富で多彩に準備されているベンダーが、ここでもトクトーク社の「まめまめネット+」だ。
今回調査したショッピングカート
●ASJショッピングカート ショッパー
http://www.asj.ne.jp/shopper/index.html
●サイトサーブ
http://siteserve.jp/demo/server/login.html
●ichi
http://ichi-online.com/
●01-ショッピングカート
http://01-shoppingcart.com/
●エクスカート
http://www.xcart.jp/
会員登録型のみかもしれない
●ワイズカート
http://promotion.wisecart.ne.jp/
●ジョイカートAタイプ PC
http://www.joycart.net/price.html
●さくらショッピングカート
http://e.session.ne.jp/sakura/
●eShop-doショッピングカート
http://www.i-do.ne.jp/service/eshop/index.html
●Future Shop2
http://www.future-shop.jp/capability/
●e-shopsカート2
http://cart.e-shops.jp/
安い割には、システムのレスポンスも柔軟性も比較的よい
項目説明が入れられない点と、置換タグがもう少し多いとおすすめなのだが
●まめまめねっと+
http://www.mame2plus.net/
驚異的なコストパフォーマンス
小規模トランザクションを想定。大規模トランザクションにシステムが耐えないかも
抜群の柔軟性
<< 毎回悩ましいPCでのDVD再生< | >レンタルのショッピングカート比較 >>