調理施設の発想「キープドライ」が貧弱な日本

ウェットシステムの床と長靴姿の日本の調理施設



日本では、レストランや食堂の床は水を流しやすいウェットシステムを採用しているところが多い。ラーメン屋さんなどは水切りを床の上でやるし、床は常時湿っており、店員は長靴で調理というスタイルが一般的だ。





欧米と日本、調理施設の衛生管理の"常識"の違い



しかし、欧米の常識からするとかなり異質と思われる。欧米では「Keep things dry」(乾燥させておく)が常識。



細菌やウイルスは乾燥に非常に弱く、乾燥させることで細菌の繁殖を防止する思想が広く一般的に受けいれられている。よって、常時塗れた床で、飛び散る水しぶきの中で、群れやすい長靴を履いて調理することは、かなりリスクが高いと考えられている。



「乾燥」の殺菌効果



レストランのトイレのドアノブの細菌を調べた人がいたが、一般的に予想より低く安全な結果になるケースが多いとのこと。不特定多数の人々が使用する割には、ドアノブ自体、常時乾燥しているため、トイレ内で発生しやすい大腸菌やサルモネラ菌の繁殖が抑えられているのではという内容だった。



胞子(spore)は比較的乾燥に耐性があるため一部のカビや酵母・細菌類は生き延びるが、一般的に細菌・ウイルスは乾燥に弱い。調理施設は、床も設備も備品も食器も布巾もタオルも、すべてキープドライが衛生管理としては第一条件になると思う。



先進国の日本で、未だ、水が泣かれる床の上に長靴姿で立つコックさんの姿は、残念ながらちょっと遅れている気がする。





(参考文献) 欧米のキープドライに関する衛生管理の一例:

http://www.ehow.com/how_5091428_prevent-bacteria-growth.html

(eHowは怪しい記事が多いというウワサもあるが、こちらはよい例なので引用)



Keep things dry. Bacteria need moisture to thrive, and most bacteria will quickly multiply in wet or moist conditions. In completely dry environments, some species of bacteria can form spores, which are resistant to desiccation. As a general rule, however, keeping things like drains, clothing and carpeting dry will prevent bacterial growth.






  • (2013-07-21 08:21:15)
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漫画作品『もやしもん』と日本の発酵文化

『もやしもん』とは?



『もやしもん』の説明は、私が書くよりWikipediaから引用した方が早い

--------------(引用)--------------

『もやしもん』は、石川雅之による日本の漫画作品。青年漫画誌『イブニング』(講談社)にて、2004年16号より2013年10号まで連載後、『月刊モーニングtwo』(同)に移籍し2013年8月号より連載中。肉眼で菌を見ることができる主人公・沢木を中心に、菌・ウイルスに関わる農業大学の学生生活を描いている。英語表記は「TALES OF AGRICULTURE」(農業物語)。



2007年10月から12月までフジテレビのノイタミナ枠にてテレビアニメが放送された。2010年には実写ドラマ化もされており、同年7月から9月まで、テレビアニメと同じくノイタミナ枠で放送された。2012年7月から9月まで『もやしもん リターンズ』がアニメの続編として放送された。



第12回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第32回講談社漫画賞一般部門、平成20年度醤油文化賞受賞作。

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「酵母やカビ」がテーマのマンガ



一言で言えば、酵母やカビによる発酵をテーマにしたマンガということになるだろうか。



凄い、の一言。もちろん、内容は人間の物語であるが、テーマの選択・設定が「酵母やカビ」である。世界広といえども、「酵母やカビ」をテーマにした物語はそう簡単に見つけられないと思う。





世界に類を見ない「酵母やカビ」文化の高さ



それを創作する人だけでなく、その作品に対してお金をだして購入する人がいてこそ、出版が可能で経済は成立するが、こういう経済が成立する国も他にはあるまい。



それだけ、「酵母やカビ」は日本人にとって馴染みがあるし、文化や生活の一部として認識されているということだろう。



こういう社会的なバックグランドなしには成立しないようなマンガが売れて、テレビアニメにもなっている点で日本は特異な国と思われる。「酵母やカビ」を勉強したいなら、この国に生まれたことはラッキーだったに違いない。
















  • (2013-06-30 08:15:00)
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「種麹」というビジネスが13世紀に成立してた発酵先進国・日本







最先端バイオテクノロジーだった麹



麹や糀は、酒や醤油職人にとって宝であり、その増やし方や保管方法、それを利用した酒や醤油の製造方法は企業秘密とされていたはず。





世界史に例を見ない「種麹屋」



しかし、分業化が進むにつて、麹だけを専門に扱う業者が出現することも自然な流れと思われる。日本では13世紀には「種麹屋」が出現していたとされる。





「種麹屋」が存在した日本の発酵界



分業化が進むだけの需要と供給力が要求されたとういう状況に日本の発酵分化の高さや需要が推測される。当時、世界中に「種麹屋」というビジネスが存在しなかったことはもちろんだが、最近になるまで存在しなかったことを考えると日本の発酵技術や伝統、ポテンシャルは恐るべし、と言ってよいのではなかろうか。





「種麹屋」と「麹座」、どろどろの利権闘争



種麹は、一種の最先端バイオテクノロジーであり、その技術の有無により、酒や味噌、醤油、焼酎などの高級食材の生産性に大きな差が出る。



食品企業にとっては死活問題であり、それゆえ大きな利権問題が絡む。「種麹屋」は、当時の権力者である貴族勢力・武士勢力・寺院勢力と独占権や営業権でむすばれ、「種麹屋」は「麹座」を形成し、独占的な利益を謳歌する団体もあったと予想される。



それゆえ麹座を巡る対立・利権争いも権力者と政治を巻き込んで相当おもしろかったことだろう。






















  • (2013-06-25 17:38:32)
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発酵に使われる菌

・お酒->米を「麹カビ」で糖に分解->糖は「酵母菌」によってアルコール発酵。

・ヨーグルト->「乳酸菌」

・納豆->「納豆菌」
  • (2013-05-16 09:11:52)
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「ナットウ」、臭い発酵食品

中学の時、はじめて「ナットウ」なるモノを食す。テレビでは、ドラマでもアニメでも納豆はよくでてくる食品だった。しかし、自分が暮らしていた地方では納豆を食べる習慣がなかった。ゆえに名前こそ知っているが、実物を見たことも嗅いだこともない。



ショックだったな~はじめての納豆。



はっきり「これは間違いなく腐れている」と感じた。



にもかかわらず、なんと、わずか数ヶ月で納豆ファンになりいつしかおやつも納豆にするくらい取りつかれてしまった。発酵食品の魔術に落ちた瞬間だった。
  • (2013-05-16 09:11:35)
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