広告費用対効果は計測しにくい
- (2011-06-29 08:31:39)
広告結果としての「売上げだけが問題」となるケース
Adwords以来、広告の効果計算や費用対効果は、数字で計算可能となった。
直接的なコンバージョンにしか関心がない場合は広告の効果やコストは、Adwordsでは、いまや完全に数値化され科学的に計測可能な投資活動となっている。
ここでは、投資価値に対する判断基準は、インスピレーションも度胸もひらめきも必要ない。すべては科学であり統計であり、単純な数式で美しく整理されている。事務的な仕事へと変貌した。
これは広告の結果の「売上げだけが問題」となるケースであり、「ブランド認知」や「ブランドロイヤルティ促進」の話になると別問題だ。
費用対効果の計算ができない伝統的広告媒体
テレビ・新聞・ラジオ・雑誌・折り込みチラシ・看板・ポスティング・ポスターその他伝統的広告媒体などは、直接的な売上げと費用対効果さえも判断にしくい。
そのため、何らかの指標をいつくか準備したい。世間一般に存在する指標かどうか不明だが「広告到達単価」など作れば、一つの投資判断のためのよい指標に見える。
ブランド・ビルディングにはコンバージョンとは違う指標が必要
直接的なコンバージョンのみが成果と判断される場合は必要ないが、ブランドビルディングを行っている会社なら「ブランド認知係数」&「ブランドロイヤルティ係数」というパラメーターも導入した方がよい。
「ブランド認知係数」「ブランドロイヤルティ係数」とは、私はこの記事を書きながら作ったコトバで、世間的には存在しないと思う。
ブランドビルディングを行っている会社なら知名度の向上とブランドロイヤルティの向上は、直接・短期的な売上げに貢献しないながらも大きな財産であり、目に見えない、そして会計上計上されない資産である。
「会計上計上されない資産」という点が凄い。なぜなら租税の対象にならないからである。会計に詳しくないので自信がないが、おそらく「ブランド力」は会計上資産には計上さない。
「認知型」か「リマインダー型」か、広告の質も重要
さらにその広告が、「ブランド認知型」なのか「ブランド・リマインダー型」なのか意識的に区別しておくべきである。
ブランドが未確立のブランドに「ブランド・リマインダー型」広告は必要ない。しかし、確立済みのブランドなら、リピーターに再購入を訴求する「リマインダー型広告」は強力である。
吊革広告など内容が読めないくらい小さな面積でも商品イメージを掲載するだけで、リマインドされるので効果的と思われる。
苦しいのは、「ブランド認知係数」&「ブランドロイヤルティ係数」というコトバを作ってみたが、科学的に計算する手法が今のところまったく思いつかない点だ。
「ブランド認知」と「ブランドロイヤルティ」といった類の考え方は、いずれ数値化手法が確立され、世界中の企業経営の考え方として計算式に落とされるだろう。
世界の偉い先生方によってそんな計算式ができればハーバードビジネススクールの教科書にも載るだろう。このへんの理論式がないことには、ブランド広告の科学的な考察はできないと考えている。
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