ネット解約できないWOWOWに感動

長年お世話になったCSを解約


海外ドラマを見るために90年代からスカパーを視聴してきた。20年以上に及ぶ長い付き合いだったが、最近、ベランダからアンテナを取り外してすべての契約を解除した。

理由は、運営側が何度も何度も同じドラマを流すようになり、視聴者にとっては見るものがなくなったという事情がある。新しいドラマ・シリーズもたまに出てくるが、ドラマの質が日本同様、ひどく低下している。


ドラマの質の低下は著しい


原因はスポンサーの分散にあると思う。スポンサーが薄くなったので、制作費は削られる。

それで、世界のドラマは、より視聴者数を稼げるよう全世界の若者向けに広く浅く、ありえないマンガのようなストーリーが多くなり、大人には幼い印象は避けがたい。リアルさがないドラマばかりだ。

たとえば、刑事ドラマなら、憶測だけで犯人の追い詰めるストーリーが多くなってきた。見ていてバカバカしくなる。ドラマの質の低下・劣化は今後も進むと思われる。


WOWOWに加入


スカパーの代わりにとWOWOWに加入してみた。WOWOWは、昔からサービス名こそ知っていたが、内容は知らない。

しかし、ほとんどのBS・CSのチャネルが視聴者を失い続ける中、WOWOWの会員数はここ数年増加しているという。

それで加入してみた。

全然ダメだった。


嗜好の多様化時代


WOWOWに問題はないが、視聴者の嗜好が多様化している現在、多くの人々を最大公約数的にまとめても多様化が進みすぎて、昔みたいなボリュームゾーンは形成しがたい。

私のテレビの見方は、現代の多くの人同様、全チャネルからキーワード検索で番組を自動録画し、それをリラックスタイムに視聴するというスタイル。

リアルタイムで見るテレビは、朝起きたら付けるNHKニュースくらいで、夜間、休息時のテレビは録画番組を見る。

この「キーワード検索+自動録画」で、なんとWOWOWは1ヶ月間視聴して、一番組も録画されなかった。つまり、私の嗜好とはまったくズレている。

番組表をながめても、見たいと思えるものはない。スポーツ観戦が好きな人なら、ほぼスポーツだけチャネルがあるので、いいのかもしれない。


ネットで解約できないWOWOW


わずか1ヶ月で解約することにした。解約するためネットにログインするも、なんとこちらも驚いたが、解約フォームがないことを発見。

加入はネットで手軽にできるが、解約は一手間かけさせる、「解約はさせない」という意思表示か。この時点で、WOWOWに対する私のイメージは「この会社、終わってる」。

電話した。コールセンターのお姉様の対応は圧巻だった。今までこの種のコールセンターで体験した一番クールな電話応対だった。解約はすんなり認めるも、つなぎ止めるための対応が凄い。


コールセンター・スタッフの高いスキル


どんな番組を見たいのか?という質問からの誘導が基本ストーリーだが、その質問内容、質問の仕方、間の置き方、言葉遣い、とれも洗練されており、解約するためだけに電話しているのに、私はドラマの話などしていた。

こういう質問を通して顧客の嗜好を聞き出し、WOWOWで提供可能な番組をレコメンドされた。残念ながらレコメンドされた有名な番組は、私には幼なく、しかも、だいたいCSで見たものばかり。

つまり、電話対応が優れていても実質的にかみ合うものが皆無だったので、私の場合、そのまま解約させてもらった。しかし、多少なりとも未練が残るユーザーなら解約電話で思いとどまる人は多いと思われる。


去る顧客は、どうしたって去る


根拠のない推測だが、3割・4割の人は、もう少し加入しておくかと思いとどまっているだろう。その優れた顧客リテンション・システムに私は感動し、また、コールセンターの優れたトレーニングに感動した。

しかし、去ろうとする顧客は、どうしたって去って行く。

簡単に引き留められるならよいが、あれほどのスキルを要する人材を教育し維持し、運営させるだけコストに見あうかと言えば、無駄な努力のようにも思う。


不運だったWOWOW


WOWOWさんが、どこの会社さんでどういういきさつで設立されたか知らないし関心もないが、昔から気の毒な会社さんと感じてきた。

BSやケーブルテレビが出てきた頃、せいぜい10チャネルくらいの地上波に対して「夢の1,000チャネル放送事業」というイメージだった。

これは凄いことになる、と関心が薄い私でさえ、その可能性を感じたが、時代が悪い。ちょうどインターネットが勃興する時期と重なった。

「夢の1,000チャネル」は「無限チャネル」のインターネットの前では、突然色あせた。


ネット(無限チャネル)の前では色あせる


90年代のインターネットは、とてもテレビに対抗できるような動画や番組配信は不可能だったが、それが可能になることは時間の問題だった。

テレビ・コンテンツの配信媒体は、衛星からインターネットに移行するだろうし、コンテンツを制作するためのエンジンであるスポンサーたちも移行する。

そうなれば媒体だけでなく、配信すべきコンテンツそのものを失うかコンテンツの質の低下は明確であり、巨額な投資や維持費が発生するBSもCSも存在意義自体、怪しくなる。


NHK BS


こういう構図は、NHK BSも同じ状況だろう。

しかし、こちらは国民からの強制徴収金を湯水のように使えるNHK様だから。空想だが、NHK職員の天下り先として赤字でも運営する理由がありそうだ。

しかし、民間の企業はそう言うわけには行かない。その点で、WOWOWは不運だと思う。


今日はつなぎ止めても明日は去る


去りゆく顧客は、今日はつなぎ止められても、明日はつなぎ止められないだろう。その分を新規の顧客加入で維持し続けなければ存続は厳しい。

コールセンターのお姉さまに引き留められていたが、15分くらいで飽きて「お話はほどほどで、解約処理を進めてほしい」とお願いして電話がようやく終わりかけたとき、最後にご要望はありますか?と言われた。

それで「ネットで解約できないことは問題」と言えば、同意するともしないとも言葉にならない曖昧な返事だった。

(この質問に対する返答はトレーニングしていないのかな?多そうだけど)

スキルが高いコールセンターのスタッフが、どうしたって去りゆく顧客のために15分も20分も相手してくれたことに、たいした会社さんだと別の意味で感動して、私は電話を切った。




(ブランドビジネス起業日誌)


  • (2017-06-27 17:20:58)
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