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ECサイトの掟、「徹底自動化」を考えるクセ
  • (2011-06-29 08:09:12)
自動化への欲求不足・意識不足

人間は必ずミスを犯す


自分自身、誤字脱字も多いが、それはいいほうで、文章が文法的な破綻をきたしたり意味不明な内容のメールを他人に送ることがある。後で読み返して「なぜこんなミスを?」と恥ずかしい。

どんなに優れた人間でも同じことを100回やれば1回くらいは間違いやミスをするもの。体調が悪い場合もあるし心身のトラブルの場合もある。作業信頼性には問題があるという前提でいた方が、むしろ安全。

人間の「作業信頼性は低い」という前提のオペレーション設計をすることが重要。アメリカ系の企業を見るとこういう思想がベースになっている気がする。

安定したオペレーション方法


このような不安定な人間の性質を考慮してオペレーション方法は設計したい。

・バックアップ方式:複数人数でのダブルチェック方式

・人依存の部分を極力減らしシステムに依存:コンピュータやメカ・器具による可能な限りの自動化・システム化

当社システムは完成度が至らず「例外処理」に弱い。しかし、人間だけで処理する作業に比較すればシステム化された作業はるかに安全。システムによる自動化を徹底的にはかりたい。にもかかわらず「システムによる徹底した自動化」という文化は今一つ徹底していない。スタッフのカラダにも染み付いていない。

無意識に繰り返す「習慣」が危険


なぜ「システムによる徹底した自動化」文化がカラダに染み付かないのか?習慣化し易い人間の体質と関連がありそう。

人にとって「考えること」は大きな負担。自分自身「考えること」を放棄している場面が多々ある。「お任せします」と相手にお願いしたり、商品の選択で「適当に選んどいて」とか、よくやる。

「今日は運がいいから」とか「この数字が好きだから」とか、「感じるものがあったから」という理由でやる株式投資より、情報を収集し裏を取り、理論的な推測をした上での株式投資の方がよほど苦しい。自分なら前者方式だ。

考えることは面倒である。エネルギーを消耗する。体力と時間を消耗する。

脳は楽な方向に人間を誘導する


脳は生理的に楽をする方向に人を動作させる。「習慣」は食料や栄養が不足していた原始時代、最低限のエネルギー消費で生命活動を乗り切ろうとした進化の結果作られた回路かもしれない。「習慣」は考えることをしなくてよいオートマティックモード。それがエネルギー消費を押さえる。

「習慣」はすぐれた低エネルギー消費モードながら、ときとして人を無駄で意味のない繰り返しに陥れる。

鬼の営業マン、IBM初代社長トーマス・ワトソン氏の写真の上の壁には『THINK』というバナーが貼ってあった。THINKの意味は「現状を打破するための方策を考えよ」ということか。鬼の営業マンは「考え抜く」ことでIBMを世界一のコンピュータメーカーに成長させた。

自動化できるのに手作業を繰り返す習慣


自動化の重要性がわかっているのに自動化していない作業が案外多い。

・「自動化したい」という欲求不足。
・「自動化すべき」という意識不足。
・自動化のためのツール不足・技術不足
・自動化のためのプログラミングスキル不足。

技術力不足以前の話、問題意識の欠如


最近では自動化への意識欠如の一例として「定型挨拶文の自動入力」があった。

発送商品に同梱する明細書にはご注文時に記載された質問やコメントに対する返答文章を入れることがある。これは個別の内容なのでシステム化しようがない。担当者の手作業。しかし、大半のリピート顧客には季節や時候の定型的な挨拶文だけを書き加える。

今までは挨拶文をATOK単語登録して、数語のキーインで挿入できるようにしていた。しかし、たとえばご注文数100件も書き入れると変換・コピー&ペイストのキーボード操作だけでも数分を要する。同じことの繰り返しだからコピペだけでもミスもしやすい。

挨拶文挿入はある程度自動化可能な操作にも限らず、何年も放置されてきた。

「たいした作業でないから」


注文数が数10件なら1分も要しない作業。一回ごとの負担が大きくないだけに「たいした作業でないから」という気持ちや意識が。それだけに「自動化への意欲」が低かったし「自動化への意識が表面化」しなかったものと思われる。

データベースの注文リストではリピート顧客にはリピートフラグが立つようにプログラミングされている。フラグが立つなら、それをキーに定型挨拶文をコメント欄に入れるスクリプトを入れた。

全自動で挨拶文が入るようになり、個別の返答や対応が必要な顧客のコメントだけを手作業で修復するスタイルに変更したのはつい最近。はやくも「もう戻れない」と感じている。






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