起こるべくして起こるTwitterの「なりすまし」問題
- (2010-06-02 06:57:37)
商標権を主張する弁護士さんからのメール
先日、私が投稿した記事のある単語に対して弁護士さんからクレームのメールが来た。長い文面の趣旨は「商標登録された商品名が普通名詞かのように使用されている。使用にあたり登録商標の帰属表示」を促す内容。
しかもいつまでに実施するか返信せよ、という内容だった。意外だった。
一般の記事でもソニーやパナソニックに商標表示?
私の商標権に対する理解は他社の登録商標名あるはいそれに類似した商標名を用いた製品名やサービスの販売やそれに類似するビジネスによって、商標権者に対して商業的損失が発生する場合が問題ではなかろうか。
誰でもソニーやパナソニックの社名やWindowsなどの商品名を記事に書く際、文章中のワードの横に登録商標マークを入れて、コメント欄に社名を明記するようなことはないと思う。
自分の記事は商品に販売などとは関係なく健康に関する情報ページ。そもそも普通名詞と思われていたその成分名は大手食品メーカーのテレビCMで有名になったもので、そのCM自体に商標表示はなかった。記憶違いか、と念のため先ほどYouTubeで確認するとやはりない。CM自体も有効成分名としか扱われていない。
これではデジカメ(三洋電機)やボランティア(角川書店)のように事実上一般名詞化していると判断されても仕方ないように思う。
商標権を厳密にプロテクトしたいという趣旨なら、まずは最初のテレビCMで明記すべきだったのではなかろうか、という気持ちもあったが、しかし、商標権者が嫌がるのなら従わざるをえない。私は問題のワードを記事から削除した。
商標権の根底、「なりすまし」の問題
商標権の問題の基本的な考え方はすでにブランドを確立した商品になりすまして、有名ブランドに便乗する「なりすまし」の問題と思う。
仮に有名ブランドの所有者でも、悪意のない、また顧客を奪われるなどビジネス競合の影響のない中立的な記事に対していちいち商標表示を行えと言って回るような会社さんはディズニー社のような例もあるが多くない。また、実際のところ人の口に戸は立てられないもの、実質的な規制手段もない。
あの会社さんは何らかの新しい権利ビジネスを始められたのか、おそらく生活苦に陥った弁護士に乗せられているかもしれない。
Twitterの「なりすまし」問題
ところで、ビジネスに潜在的な影響が大きい「なりすまし」はすでにインターネットではクローズアップされてきている。ドメイン名は悩ましい問題。しかし、もっと手を焼くのが、Twitter。
かるーくどんなアカウントでも取得できるので、有名人や企業名・ブランド名が次々とそのままのアカウント名や類似名での登録が続いている。明示的に明示されたパロディでやっている分はまだ許容できる。
しかし、悪意がある、あるいは直接顧客の争奪を意図した「なりすまし」では顧客の争奪だけでなく、ブランドの失墜という最悪の事態も招きかねない。ブランドにとって大きなリスクである。
Twitter の「なりすまし」
絶望的に非力な対策、でも効果的
記事では4つの対策が提案されている。現実的にこの程度しかできないが、はっきり言って絶望的に非力な対策である。
しかし、この程度でも小さな悪事を働く者はわずか一手間のハードルで意外と悪事を断念するものである。Twitterだけでなくよいメジャーなインターネットサービスは「わずか一手間ハードル」を設ける施策を検討した方がよいだろう。
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