顧客データがショップ側に帰属するASP型ECサービス
- (2010-03-19 06:14:22)
一方、ショッピングカートをはじめてすとシステムだけをレンタルしているサービスベンダー(ASP型ECサービスベンダー)もある。こちらの顧客リストの帰属は各ショップにあると判断している。
あるASP型のECサービスベンダーに問い合わせたことがある。
「顧客データにつきましてはショップ様の所有となります」という返答だった。
しかし、念のためホームページなど確認できる範囲で契約内容を確認すると顧客データ・顧客リストの帰属については明記されていなかった。
契約書であえて規定する必要もないほど自明のことという意味かもしれないし、「そこはあえて触れなずグレーにしておく」(虹色ソリューション)という契約書作成に当たったリーガル部の深遠な判断と配慮かもしれない。
契約書での明記
しかし、この辺は将来の火種になるところ。
顧客データは各ショップの帰属であることを明記した上で、さらに「非核3原則」のように「顧客データ3原則」を契約書に明記することがコーポレートガバナンスやコンプライアンスに謳われる時代がくるかもしれない。それがよいかどうか別として。
・ショップの顧客データを閲覧しない
・ショップの顧客データを2次利用しない
・ショップの顧客データを第三者に開示・譲渡しない
リアル店舗と似た形態
大手モールさんの考え方は百貨店で、ショップはテナント・店子という位置づけなんだろう。顧客は各ショップでお買い物しても、そもそもお客様は百貨店に来店したお客様。集客も顧客の管理も百貨店のコントロール下にある。
特定のテナントが退店しても同じ百貨店に通い続ける顧客の多さを考えれば、顧客のロイヤルティー(お店への愛着や忠誠心)も各テナントより、その百貨店に重点を置く傾向がある。
一方、システムだけを提供するASP型ECサービスは不動産業のようなものか。土地と家屋を貸すのみで、顧客は各ショップに来店するのであって顧客・ショップサイド双方の間にとって土地家屋を所有する不動産会社や大家さんの存在は商品やショップのブランドやブランディング、ロイヤルティなどに関してあまり意味はない。
こうやって考えるとインターネットのビジネスもリアルな店舗の形態とよく似ている。
広告を打ち、プロモーションを行い、集客活動を行うところ、もっと厳密に言えば集客活動に責任があるパーティに顧客データの帰属はあるということになりそうだ。
集客活動のために発生するコスト、それはビジネスの全サイクル(開発・生産・PR・集客・販売・サポート)の各行程の中でもっともコストが発生する部分であるため、その見返りとしての暗黙の了解なのかもしれない。
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