心鎮まる小平霊園
  • (2011-08-14 06:15:47)

西武新宿線・小平駅との微妙な関係

こちらも小平の好きなスポット。小平霊園は四角形に整備されている。開園は1948年(昭和23年)。案外新しくて驚く。南側は西武新宿線の線路に沿っており、北側ラインは新青梅街道に併走する。

南北ともに見事な平行ぶりなのですでに存在していたであろう線路に合わせて霊園を整備したものと思われる。小平霊園は畑が散在する雑木林エリアに開墾された霊園だろう。すぐに思い出すのが、ここから南へ数キロの場所にある多磨霊園。

世界的にみても美しい霊園だと思われる多磨霊園とそっくりである(はじめて多磨霊園を見たとき、ここは『第三の男』のロケ地のようと感じた)。

それにしても小平駅から小平霊園までの微妙な距離感と整然さがあまり感じられない道路の曲がり具合・走り具合は本当に何もないところに線路や霊園を増設したわけでないことがうかがえる。

墓場のイメージを一新した公園型霊園

小平霊園はそれまでの日本の墓場の設計思想からすると墓場というより公園である。日本の伝統的な墓場にありがちな暗さや陰湿さはまったく感じられず、かといって小金井公園のように家族連れの元気な声がこだまする雰囲気でもない。

エリアごとに整然と区画化された霊園内は見渡す限りの広大さ。浮き世を感じさせる広告や生活感のあるモノは何もない。適度に明るく、適度に厳かな雰囲気が心鎮まる。湿気さえなければヨーロッパのどこかの墓地に紛れ込んだ錯覚を覚える。

デートスポットに最適?

墓参客以外、人はまばらでデートスポットにもなりそうだが、そういう感じの男女には出会えなかった。

何か失敗したり失恋した人はここを歩くと元気になるかもしれない。ダンプや乗用車が容赦なく行き交う新青梅街道から迷い込んだりすると小平霊園はもう天国である。

個人的に残念なところ

一点だけ理解できない点は霊園全体が北西方向に区画化されていること。造成以前、ここはおそらく何もない原野だったし、素直に東西南北に区画することが自分の美的感覚に合うのだが、現実にはそうされなかった。事情があるのだろう。

たとえば、仏教思想では方角はそれぞれ意味があるらしいのでそのような思想がベースになったかもしれない。公園をいったん出れば、そこはまた脈絡もなく自然発生した道路に囲まれており、なかなか社会は難しいものであると実感する。

調子が出たところで一句:「失敗したら来よう、小平霊園」。ここに来れば傷は癒える。

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