IKEAブランド体験
取引先に行った帰り、新三郷でIKEAに立ち寄り家具を購入。IKEA初体験は、いろいろな感動が詰まっていた(2013/04/28)。


店舗の強烈な外観体験


・店舗は、青と黄色の目立つ彩色と統一されたデザインで、機能性がありテーマパークを思わせる巨大さ・エキゾチックさ。


強烈なIKEAロゴ体験


・「IKEA」の字体は極太のフォント。エンドがかすかに跳ね上がる字体。心に「引っかかる」感じの印象を受ける。

・入り口付近、6本のポールにたなびくタペストリー型の旗が印象的。書かれている文字は「IKEA」。このあと店内も備品も、洪水のような「IKEA」ロゴに包まれている光景を体験する。しかし、とく旗がいい。旗は、なぜか人の潜在意識に影響を与える。こういうちょっとした演出が入店前の客に軽い興奮を与える。


入店前から始まる憎い演出、ここは夢の国


・入り口前の通路に並ぶバナー広告にはレストランの料理の写真+プライス。相当お安い!(ただし、実際のプライスは、後で書くが、よくわからない)。家具の買い物に来たのに、早くもアミューズメントパークに来たかのようなマインドに心理はシフトしはじめる

・入口に入った第一印象は、お店システムが不明!ということ。大きなボードに描かれた説明でおぼどげに判明。買い物をする前にショールームを練り歩く必要あり。その後マーケットプレイスやセルフサービスエリアがあるらしい。


よく計算された巡回ルート


・ショールームが終わる頃にレストランが現れる。ここで一服してもらい、後半の買い物バトルへのエネルギーを補充してほしといったところか。

・買い物エリアに来ると、目的の家具エリアではなく、まず北欧雑貨エリアに遭遇する。家具屋さんと思って来店すると、雑貨屋さんに風情に腰を抜かすことになる。

・セルフサービスエリアに来て目的の家具をピックアップ。家具のセルフサービスがIKEAの起源だろうか。天井まで届く倉庫に所狭しと商品が並ぶ。感動的だ。ショールームでメモした棚番をもとに商品を自分でピックアップしてレジへ行く。棚番をメモする際は、20ケタくらいの棚番が複雑で、お年寄りや子供はあの時点で、脱落するだろう。セルフサービスエリアは雑貨エリアに比較すれば閑散としていた。


笑うしかないアップセルとクロスセル


・レジでは「ホットドック100円」と「宅配サービス990円〜」のポスターが目に飛び込む。

・レジを出ると海外風フードコート。小腹を空かした我らにはありがたい存在。買い物の最後のフィニッシュという感じで自然に意識が向く。足が向く。

・私の場合、フードコートに立ち寄る前に宅配サービスで荷物を出す。重量22kgで2990円。あと3kg軽いと990円で、このジャンピングプライスがまた笑えた。


IKEAコピーは不可能


・陳列・商品の説明タグ・レジ・倉庫・・・日本では見られない備品や機材・システムが随所に採用されている。おそらくIKEAオリジナルの設備や機材も含まれており、IKEA自身が開発したものもあるのではないか。もしIKEAに大変な共感を覚えてこのスタイルをコピーしようとしても関連・周辺機材が入手できないので、IKEAのコピーには苦難が伴うだろう。


(総合感想)ここはテーマパーク、家具はおみやげ


・IKEAではじめて買い物をした。その感想は「ここは家具屋さんではない」というもの。北欧の雰囲気に満たされており、海外で買い物していると思えるくらい非日常的な空間だった。

旅行と思えば、タダのように安いアミューズメントパークだった。

家具?家具については「テーマパークに遊びに行ったついでに買うおみやげ」程度のイメージか。





ネット展開待機中のIKEA


なんとIKEAはネット展開をしていない。実は来店が大変だったので、ネットで購入しようとしたらサードパーティーの勝手サイトや勝手代理店らしきものは発見できたが、IKEA本体はネット展開をしていないようだ。

消費者に「IKEA体験」をしてもらうため店舗に来てもらうことを優先し、おそらく意図的にネット展開をしていないと推測される。「IKEA体験」が日本国民に、おおむね行き渡ったら、ネット通販も始めるのではないだろうか。


セルフ文化が未発達の日本で勝てるか?


店内は込んでいたが、多くの従業員、棚番と商品位置・商品タグの厳密で複雑な管理コストを考えると「儲かっているのか」やや心配になった。

システムキッチンでも浴槽でも自分で入れてしまう、といったセルフ文化が日本では発達していないので、IKEAのスタイルが日本でフィットするのかやや不安に感じる。利益率が高い大型商品が売れているのかが気になる。

全体の混み具合からするとセルフサービスエリアは閑散とした印象を受けた。


冷めた日本人の心をつかめるか?


家具は、ちょっと大きく重いヨーロピアンスタイルが多いようだ。ショールームでは憧れの北欧スタイルが楽しいが、憧れと現実の日常生活を比較的簡単に切り離す日本人が気軽に買えるものが少ないのでは?という印象も受けた。

憧れは憧れとして雰囲気を楽しんだ後、実際に家具を買う段になると、日本人は憧れのスタイルより現実的な選択をする傾向にあるだろうし、多くの人は保守的で、なじみのある家具を選択すると予想する。

私が購入した椅子だが、欲を言えば、あと10%小さく・軽いといいなと感じた。(後日談だが、実際に使い始めると10%ではなく20%くらい小さいと使いやすいと感じている。とにかく自宅では巨大に見えて邪魔になってきている)


ブランドの差別化は強烈だが、デザインの差別化は先細り


私の場合、家具のデザインに対してセンスがないので、デザインは評価しがたい。個人的にはIKEAのデザインはちょっとおしゃれな印象は受ける。しかし、中身は北欧製とはいかないだろう。

グローバル企業としてMade in China製品をメインに品揃えする方針は避けがたいだろうし、グローバル化が進んで日本の家具も中国の家具も、世界的にデザインは似てきており、デザインでの差別化が、私のような一般消費者には伝わりにくい。

その点、北欧雑貨を豊富に揃えている点には共感する。北欧雑貨は、差別化が厳しい家具を支える役割を果たしているのではないか。


必要なモノを買うためには行きにくい


「IKEA体験」は楽しく、ブランドイメージは、実際の店舗を訪れることで確固たるものになった。しかし、顧客がリピートするかとなると不安な印象も。

テーマパークとしての新鮮さは、次回は薄れるだろう。買い物には広すぎて疲れる。IKEAはテーマパークなので、そこに行って遊ぶことが目的であり、必要なモノを買うためだけに行く来店者には、巡回ルートは不便。ショートカットがあるので、慣れれば楽になるのかな。

もう一つ、広いので急ぎ足で回ると息も切れる。たまたま来場者数が多い日だったのか、どよんだ感じの店内の空気が息苦しかった。


笑ってしまったジャンピング・プライス


あとジャンピングプライスは、IKEAブランドを傷つけているかもしれない。「ホットドック100円」というポスターに釣られて店まで行くと、自動券売機の「ホットドック100円」ボタンは異様に目立たない。

大きなボタン(しかも写真入り)は、230円とか260円とかのフード。100%から200%増しのアップセルへと連れ去られそうだ。明らかに「こっち押して欲しいオーラ」が立ち上っていた。ここは笑うしかない。

どうせこのフードコートも赤字でやっているのだろうし、楽しませてもらったのだから「ホットドック100円」なんかのボタンを押すのは申し訳ない。しかし、露骨なアップセルを見つけられニヤリとしてしまった。

こんなに楽しませてもらったので嫌な気分では一切なかったが、ブランドらしからぬセコさがアンバランス。宅配サービスも同じ。「宅配サービス990円〜」とあったが実際に行けば私の荷物は「2990円」。唖然とした。

重量制限を2kgほど超えた。「990円」の次は「1990円」だと思うのが人情。2000円でもいい。なんだ結局ポスターの3倍の金額じゃないか。レストランには入らなかったが、この分だとレストランも強烈なアップセルが待っていそうだ。

「IKEA行ったよ」という話題性はあるが、日本国内で、リピート顧客層が醸成されるかどうか、今後が楽しみだ。


自分なら・・・


偉大なIKEAブランドに、いろいろ物申してみた。いろいろ批判する人間は自分ではだいたい何もできないが、空想で仮に自分がIKEAのようなブランドを展開できるとしたら:

(1)秀逸なブランド体験:ブランド体験は強烈。IKEAにはかなわない

(2)原則世界同一商品:管理コストを考えると世界中で同じ商品を売りたいので、現状のまま原則商品のローカル化は行わない。すると日本でのビジネスは厳しいと予想される

(3)高額ブランドへの移行:IKEAコンセプトに逆行するが、家具の価格は、もっと高くしないと見捨てられるかも知れない

(4)「小さくて・軽くて・壊しやすい家具」への移行:ヨーロピアンスタイルの真逆だが、これが今後の世界の長期トレンド

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  • (2013-05-03 07:15:59)
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