海外支払い、本当に少額ならPaypal?
- (2016-07-05 05:12:10)
日本でのPaypalのイメージ
先方がPaypalを勧めたので、久しぶりに使ってみた。Paypalにアカウントを開設したのはもう10年くらい前かもしれない。
以前は世界の決済スタンダードで、これから日本の決済もPaypalといった雰囲気があった。それで自分もアカウントを開設してみたが、わかりにくい日本語やダサい決済画面にまるでやる気が感じられなかった。
そのうち日本のクレジット決済代行会社の手数料も5% → 4% → 3%と下がってきたためPaypalの"安い手数料"という競争力も失われていって現在に至っているイメージか。
画面も日本語も洗練されていた
久しぶりにログインすると以前よりは画面も日本語も洗練されていた。
過去数回利用した経験があるが、古すぎるのか、その使用履歴は残されていなかった。
支払うための情報は先方のメールアドレスだけ。やはり凄い。簡単!
自分のクレジット情報は入力済みだし当然といえば当然だが、Paypalの創業者はうまいことよいアイデアを考えついたといまさら驚く。
アイデアだけなら簡単かもしれないが、こういう銀行並みの信用が求められるサービスを実際に、かつインターネット黎明期に普及させたパワーやノウハウが凄い。
手数料は誰が支払うのか?
クレジット決済なら、手数料は売り手の取引先が払う。だいたい3%だろう。しかし、Paypalの海外送金は支払い側も支払うそうだ(国内送金は無料らしい)。
500USDと入れると日本円に換算されるが、この換算金額が外為のリアルレートよりかなり高い。調べると外国為替レートは手数料2.5%〜4%が上乗せされるそうだ。
また、受け取り側も4%くらいの手数料を支払うので、Paypalはダブルでおいしいが、ユーザー側にはメリットが薄い。
今回の支払いなら、私にはWESTERN UNIONよりも高い手数料を払い、先方もWESTERN UNIONなら支払う必要のない手数料を支払う。
Paypal、いまいちかな。
本当の少額決済で使いたいPaypal
たとえば、数千円や数百円の支払いならメリットは大きい。手続きが簡単だし、手数料のインパクトも小さい。しかし、多少金額が大きくなるとPaypalは悪い選択。
ということで、「本当の少額決済でPaypalアカウントをすでに持っている人が相手」という条件のときだけ、メリットがある決済方法ということか。自分の場合、今のところあまりPaypalを使う機会はない。
ネットショップはPaypal決済を導入すべきか?
Paypalアカウントを持つユーザー数は全世界で2億人程度らしい。インターネットで買い物をするユーザー数は数十億人、そのうち2億人もの人がアカウントを所有するという時点で、圧倒的なインフラと思うが、日本国内を考えれば、Paypalユーザーの存在は薄い。
実際、どれくらいのユーザーが存在するのかわからない。数百万人?仮に数百万人いたとして日本国内でPaypalを利用するイメージは海外ショップでの買い物のためであり、日本国内ではあまり利用していないのではないだろうか?
Paypalが使えるショップが少ないことでユーザーのアカウント取得意欲も少なく、それゆえショップの導入意欲も薄く感じられる。Paypalの競争力で最大のメリットだった手数料は今ではむしろ割高となってしまった。
また決済後の金額変更など、煩わしい作業がどれくらいサポートされているか考えると、手厚いイメージはない。
実際のところを検証していないのでまったくの憶測だが、以前、なんらかのトラブルでPaypalに問い合わせると返事はシンガポールから英語だったと記憶しているので、当時、日本にはサポートセンターさえ存在しなかったと推測している。今はわからない。
日本ではアクティブユーザー数も少なく店舗が決済方法としてPaypalを導入するメリットはまったく感じない。海外からのお客様が多いショップなら多少メリットがあるか。
手数料をもっと大胆に落とす対策をしないかぎり、Paypalは日本ではたとえば Burger King のように中途半端に投資して成果なく撤退という結果で終わる、よくある海外企業のケースになるのでは?
それどころか、AmazonPayのようなパワーインフラが生まれた現在、Paypalの本体自体が、この先どうなんだろうと思う。
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