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スマホ・ビジネスモデルに完全敗北感
  • (2015-08-19 11:26:27)
出張があるので今年の夏休みは英語の勉強を集中的にしている。

勉強方法


英文ニュースや英文記事を読み、知らない単語を調べて「単語」と「その単語を含むフレーズ」や「役立ちそうなフレーズ」を抜き出して、単語帳にまとめて空き時間に繰り返し覚える。

公園のベンチやプールサイドが絶好の学習時間になる。

今まで知らない単語は調べたらそれきりでムダに忘れていたが、このやり方で、一度調べた単語は記憶に固定化させ財産にしたい(今までなんでしてこなかったのか、そこが問題ではあるが)


勉強ツール:ミニPC


記事やニューズは本やネットから拾うが、単語帳制作はDELLのミニPCでやっている。

しかし、この作業のためだけならWindowsはどうしようもなく重く遅い。OS自体の起動も遅いし電源オフまでの時間もストレスフル。

そこでMS-DOS+エディターならめちゃめちゃ気持ちよいのではと、DOSを入れることにした。今時のハードに30年前のOSが入るのか、全然わからない。

MS-DOSをUSBメモリーブートにして何とかなるかと軽い気持ちで始めたが、これがやり出すと案外夢中になって、英語の勉強どころでない。これだ。本末転倒がむなしい。


勉強ツール:電子辞書


電子辞書も新しく購入した。今まで電子辞書は使ったことがないので、どんなものかとAmazonを探すと、数年前のモデルが多い。

どうもメーカーさんの多くはもはや新規開発はしていないような。スマホ普及後、電子辞書は用無になったか。

とりあえずCanon WORDTANK S501Eを購入。いろいろ調べると、たぶん、WORDTANK A512という機種が今の自分に合いそうなのだが、この機種は生産終了で後継機種もなさそう。


電子辞書を使って感じたこと:

・市場では折り畳み型電子辞書が多いが、スティックタイプが便利。常時持ち歩くモバイル端末は即起動・即入力・即答・即電源オフが必須と考える自分には開く手間があるマシンは致命的

・検索履歴がとっても役立つ・・・自分で単語帳を作らなくても履歴をみれば復習可能。これが一番うれしかったこと。ただし、この機種は1000語まで。2000語くらい欲しい。また履歴で復習をしているとき、その単語が総数何個の履歴中、何番目なのかを示すシリアルナンバーがあれば使いやすいが、これがない

・履歴データが取り出せない・・・USBケーブルとかBluetoothとか他のデバイスで再活用できる手段がない。これは痛い


勉強ツール:電子単語帳


KOKUYO memoribo。100枚分のカードを20セット収納できる電子単語帳。1カードに1単語であれば、単純に2000語収納できる。2万語くらい余裕が欲しい。仮に2万語の容量があっても学習上、実用性はないかもしれないが、あっても問題ない。何が制約なんだろうか。メモリーのコスト?

紙ベースの単語帳と比較すると「自動再生」や「シャッフル」が便利。しかし、再生速度などの設定項目はほとんどなく柔軟性に乏しい。

Amazonマーケットプレイスで購入したが2台しか残りがなかった。こちらも生産中止になって久しいらしい。PCとのコネクションはWindows7に対応しておらずXPまで。これもスマホに淘汰されたデバイスの一つだろう。


避暑をかねてコーヒーショップで勉強


とういわけで、下記の神器をバッグに入れて、スタバやマックで勉強している。

・Dell(MS-DOS + ELISエディター)
・WORDTANK S501E
・memoribo

紙ベースの記事を読み、調べたい単語はCanonの501で調べ、手作業でPCに書き写して100語くらいたまると、PCにmemoriboを差して(memoriboはUSB端末)、memoriboアプリからmemoribo本体にダウンロードするという一連の作業をやる。


スマホ一台で済んじゃう時代


なぜスマホを使わないかという問題だが、日常的に自分はスマホを使わないから。外出は少なく仕事中はほぼPCがあるので使う理由がない。

しかし、MS-DOSとテキストエディターのためだけにミニノート1kgを持ち歩くことが、ふとバカバカしく思えて、ためしにスマホでこれらの作業をリプレイスしてみた:

・電子辞書・・・辞書アプリあり
・電子単語帳・・・単語帳アプリあり、しかもDropboxなどへのデータ転送機能あり
・テキスト入力・・・単語帳アプリで案外満足な入力が可能

え?・・・簡単にリプレイスできただけでなく、むしろ、使いやすい。予想外にあっけなくて唖然とした。とくにテキスト入力はストレス必至と予想していたが、単語やフレーズを入れる程度なら問題ない。

これらが一台でできるのだから、電子辞書やPCなど持ち歩く方がバカバカしい。

あえて欠点を言えば、やはりテキスト入力とアプリ間の切り替えか。

※そうそう、唯一電子単語帳がスマホを凌駕した瞬間があった。プールサイドで復習していたら盗撮していると誤解されたらしく、監視員がやってきた。単三電池くらいのmemoriboを見て、盗撮でないことを知り去って行ったが、スマホだともめたかもしれない。この程度だ、電子単語帳が勝った瞬間は。


「単機能の専用デバイス」という幻想


「何でもできるマシン」より「単機能だがその作業に最適化された専用マシン」の方がプロの道具と考えている方だが、電子辞書・電子単語帳ともに何でも屋のスマホに惨敗という印象だった。

なぜ負けたのか考えてみると、たとえば、電子単語帳の専用アプリは相当の投資で開発されたであろうとは予想できるが、使い勝手も何もないお役人さんが作ったような堅物アプリだった。

スティーブ・ジョブズが言ったという例の「(日本の家電メーカーは)海岸を埋め尽くす死んだ魚」(dead fish washing up on the shores)がとってもそのままな感じだ。

その程度のアプリなら、個人が自分の裁量で制作したアプリの方が実用性が高いことは多かろう。スマホアプリは世界中のモチベーションある開発者達によって作られたものであり、多くのコミュニティで鍛えられ、そして市場で鍛えられたもの。

性能や使い勝手に関しては比較のしようもない場合が多いし、開発コストの安さ(スマホメーカーからすれが多くがタダ)も比較にならない。

たとえば、だいぶん前、自転車用のGPS端末を持っていたが、これは画面の解像度が悪く、また地図データも古く・荒く使い物にならなかった。スマホが普及したら、あっというまにこのマシンも淘汰された。

デジカメも多くの人にとってスマホで充分だろうし、ビデオカメラもそう。ラジオも計算機も音楽プレイヤーも、だいたいのデジタル機器はスマホでリプレイス可能。

なんでもできるスマホは私からすれば「できるけどちょっと面倒」か「ちょっと細部が足りない・力不足」のはずだった。この理由で、専用機が使われ続けると予想していたが、単体メーカーの専用機自体、スマホと比較してみるとdead fishと判断されても仕方ない。

理由は多くの専用機がメーカー1社による開発に対して、スマホ・アプリは無数の開発者が日夜研磨し続けている世界市場製品だからということになるだろう。


世界市場向け製品が一番安い


DOSをどうやって現在のハードにセットアップするのか、最適なマシンはなんだとか、MS-DOSは販売されているのかといった情報検索からはじめて、実際のセットアップや昔のエディターアプリの調査など、それなりの時間をかけた。

要はマシンいじりの余興が楽しかっただけで、終わってみればむなしい。

結局、もはや需要がないMS-DOSは環境もない・情報もない・モノもない。ナイナイだらけの話で、そういう特殊なモノが欲しければ、めちゃくちゃお金を払ってくれという世界になる。これが資本主義の原理。とってもコストエフェクティブでないようになっている。

※記者でなくてもブロガーさんや日常的にものを書いている人なら、Windowsでなく、さっと起動して、物理キーボードでさっさと文字入力ができるデバイスは欲しいと思うだろう。MS-DOS+エディターのような機能で、ひたすら軽く・バッテリーの持ちがよく・安いデバイスなら売れるような気がする。これにぴったりのデバイスとしてポメラという製品があるそうだ。MS-DOSをセットアップするよりこちらを買った方が断然安い(時間的・労力的に)。この点でも今回のDOSいじり、私の感覚はズレている。


教訓:世界マーケットを相手にする製品かどうか


・世界市場前提の製品開発・・・グローバル化した資本主義社会では世界市場前提に開発される製品でないと生き残れない。逆に世界市場をターゲットにしないなら、誰も競合が参入しない凄くニッチな分野で、凄く深く、かつ高価な製品を創るしかない。汎用品なのに日本市場だけでよいという中途半端な製品は厳しい時代

・世界の人々による自発的な開発参加・・・世界中の開発者に「自腹で」機能追加(アプリ開発など)してもらえるようなフレームワーク構築(もはや並の企業にできるレベルを超えている)がiPhoneやAndroidの成功の要因か。世界の開発者に手弁当で参加してもうビジネススキームが、しばらく標準か。ハードは厳しいとしてもソフトの開発はこういうスキームに移行するんだろうな

・今回のDOSいじりで妙にモノに執着した。基本は「モノは所有しない」というポリシーがけっきょく一番美しい気がする


消費者として、スマホを活用していなかったことに敗北感を感じた。また、夏休みの大切な一週間を、モノに執着したことにも敗北感を感じる







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