< | >

海外送金手数料を破壊するTransferWise
  • (2015-07-27 12:11:41)
数年前、三菱銀行から行う海外送金を行っていたが、手数料のあまりの高さに呆れて、楽天銀行経由のWestern Unionにしたらかなりハッピーになって、これで決まりと考えていたが、偶然「TransferWise」のCMをみて、見に行くと刺激的なアナウンスメント →

10 TIMES LOWER COST
Banks charge 5% in hidden fees.
People on TransferWise pay 0.5%.

10倍安い手数料
銀行からの送金は5%の手数料
TransferWiseなら0.5%


「銀行からの送金は5%の手数料」はそうだっけ?・・・なんかいろいろ条件がありそうだが、とりあえず安そう。ちょうどEUROで支払うものがあったので、さっそくアカウントを作成して手続きを始めたところ、なんと日本円は対応していないかった。

日本円は未対応


送金者の対応通貨はEUROと英国のポンドをはじめ、ヨーロッパの通貨のみ。

受け取る側の通貨は上記通貨にプラスして、インド・タイ・シンガポール・フィリピンなどの通貨が対応している。これはヨーロッパに出稼ぎに来ている人から母国への送金を想定しているのだろうか。

送金方法


アカウントを作成し、ログインすると、もういきなり、送金画面。

送金金額をSender(送金者)通貨による金額、またはRecipient(受け取る側)の通貨による金額のどちらか一方を入力すると他方は自動計算される。

日本円が選べなかったので、私の送金作業はここで未決済のまま終了。


送金の仕組み


銀行間のダイレクトな海外送金でないことはわかるが、送金の仕組みがどうなっているのか、ビデオを見たがわからなかった。

詳しく説明する態度も感じられない。

これが凄い。怪しすぎると感じるが、その分を出資者や獲得した賞や著名なメディアなどの評価を前面に押し出すことで、信用を構築しようとしている。

出資者の中にはVirgin AirのRichard Branson氏が含まれる。顔写真入りだ。世界のセレブが本気出資しているのだから安心だろうという導線なのかな。

ところで、その仕組みだが、普通に考えれば、

(1)各国の銀行に自社アカウントを開設し、それなりの資金を積んでおく

(2)ユーザーから送金依頼が入ると、実際に送金するのではなく、現地の銀行の自社口座からユーザーの送金先に振り込む

と推測される。同一国の国内送金なので、通常安い。同一銀行のケースも多いだろうから、同一銀行内送金ならさらに安いと推測される。

自社口座の各国間送金は定期的にバルクで資金移動を行えばわずかな手数料で、大量の海外送金を代行できることになる。

たぶん、こういうやり方だろう。

ニッチだが大きなビジネスチャンス


最初にそれなりの残高を銀行に積んでいくという障壁はあるもののシステム的にはハードルはとっても低く、いかに早くマーケットを開拓しブランドを構築するかで勝敗が付くタイプのビジネスモデル。

システム的にはシンプルなので参入障壁は低い。実際、競合もではじめているらしい。出資者にも恵まれTransferWiseはグッドスタートと思われる。

市場規模は産業と言えるような部類ではなく限界が感じられるが、数人の社員程度の組織で全世界のマーケットを独占できれば、ニッチであっても巨万の富が生まれる。

一方、老舗のWestern Unionがその気になれば、こんな仕組み簡単に構築できる。ブランド力では圧倒的な差だろうし、TransferWise社には死角にも感じられる。

それともWestern Unionは今まで海外送金市場を独占して気が緩んでいるだろう。組織も肥大化し硬化していて自らのビジネスモデルを自らスクラップ&ビルドできるだけの力はないかもしれない。

最新のWebマーケティングを感じさせるサイト


送金の仕組みはあまり深く考えさせずに「とりあえず使ってみろ、メリットしかない」という実利面だけを前面に出したマーケティングが感じられるサイトになっている。

サイトのデザインや内容構成なども含め、ネット時代のビジネスのやり方やマーケティング方法が洗練されており、参考になるサイトだった。







<< WIXいいね< | >ヤマト「宅急便コンパクト」のダメ箱 >>
search
layout
admin

[▲page top]