システムは第一印象が大切、Win7の場合
- (2012-12-27 06:21:56)
起動時間の短さに驚く
Vistaがいかんせん悲惨だったので(と世間で言われるほど悪いOSではない。Win7と大差ないと思う)、Win7をはじめて立ち上げたときの驚きは今も覚えている。とにかく起動が早かった。
しかし、驚きは正直それだけだった。細かい改良や恩恵は無数にあるはずだが自分が感じる範囲ではこれだけである。世界中の多くの人も同じプロセスで驚き、そしてWin7は高い評価を得たのではなかろうか。
私のWin7の場合、その起動時間も、数々のソフトを入れる課程でVista並みに遅くなっていった。数ヶ月くらい。
セキュリティ上の理由とXP関連の製品やアップデータが入手困難になるという社会的な要因があるためWin7に移行せざるを得ないというのが、XPからWin7への移行モチベーションの実情でなかろうか。少なくともアーリーアドプターでない一般的な人々とってそうだろう。
戦略
こういう「のらりくらり」した消費者たちを、Microsoft社がどうやってごっそりとWin7に移行させるか、その重要な戦略が「起動時間」だったかなと今となっては感じる(先日売り出したWin8への「移行させる戦略」については見えてこない)。
Vistaのように飛び出す紙芝居的ビジュアルでは実質内容がないので、購入後すぐにメッキがはげるリスクが高いが、短い起動時間なら、しばらくユーザーに恩恵をもたらす。
遅くなるまで数ヶ月から数年、心理的な「適応と定着」の時間は十分であり、この間ユーザーは変化に納得し受け入れる。
これを世界の数億人単位で実施するわけだから彼らのマーケティングの規模は、日本人のボクには唖然とする壮大な仕掛けに見える。
「適応と定着」が済めば、その後、起動が遅くなっても問題はない。というより、むしろ次へのアクションのために遅くなってくれた方がマーケティングに有利である。
システムは、第1印象が重要
採用されるかどうかは、第一印象という教訓。
何か勘違いしているかもしればいが、Win7は、自分にとって「第一印象は大切」という教訓になっている。
システムは使ってみなければ詳細はわからないし、いったん使い出すと逃げられないという実情がある。失敗してもユーザーは、多くの場合、新たな投資よりは、歯を食いしばって適応する選択を選ぶ。
適応すれば、逆にそのシステムの愛用者になり保護者になる確率が高い。
正しいグローバルマーケティング
・第一印象で消費者とのコネクションを確立し、
・マスコミを動員して周知徹底し(あたかもそれが社会の常識のような印象を与える、今時のスマホのように)、
・最後はアップデートや互換性をクローズしてユーザーを追い込む(時間差囲い込み)
これが今時のグローバルマーケティングの王道。
小さい規模なら日本でもNTTやNECがやってきた手法(自社囲い込み)だが、彼らはあまりにも露骨で下品だったためにブランドそのものを崩壊させた。20年も前の話なのに現在でもPCのパワーユーザーはNECを敬遠する背景になっている。
現在は、Microsoft社やApple社のように、ユーザーにはあたかも自分で選択したかのような印象を与えつつ、時間差囲い込みをやって、次の新製品購入への追い込むのが、正当なグローバルマーケティングのようだ。
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