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アフィリエイトシステム構築用ソフト、Post Affiliate Proを試す#7
  • (2011-07-06 11:30:31)
アフィリエイトシステムの運用者(マーチャント)とアフィリエイターを機能的に結びつけ、販売やクリックごとの報酬を正確に計算できるようにシステムをセットアップする。PAPではこの作業を「Integration」(インテグレイション=「統合作業」)と呼ぶ。

統合作業にはPAP本体・マーチャントのWeb・アフィリエイターのWeb・ショッピングカートと多方面への設定があるため、複雑に見える。しかし一つ一つの作業は単純である。どの部分の作業か意識しながら進むとわかりやすい。

アフィリエイトシステムの運用者(マーチャント)側の準備


下記5点の作業が必要。

(1)キャンペーンの作成(PAP本体)
(2)バナーの作成(PAP本体)
(3)アフィリエイターの作成(PAP本体)
(4)DirectLinksの設定(PAP本体)
(5)クリック認識コードの作成&埋込み(マーチャントのWeb)
(6)販売認識コードの作成&&埋込み(ショッピングカートのWeb)

(1)キャンペーンの作成


・Campaign - Campaign managerを開く

キャンペーンとはアフィリエイトプログラムの実施単位。すでに「First campaign」というサンプルが準備されているので、これを編集してもよいし、新しいキャンペーンを作成(Add campaign)してもよい。

キャンペーンごとにどのアクションやイベントを報酬の対象にするか(クリック and/or 販売)を決定し、それぞれのコミッション・報酬額(販売額のパーセンテージ or 定額)設定する。

報酬の確定方式は自動・手動(Automatic/Manual approval)を選択できる。マーチャント・アフィリエイター間の関係が良好ならば、自動承認がよいだろう。マーチャント・アフィリエイターともにストレスもトラブルも少ないと思う。

ここではクリック報酬$10(「円」のつもり)、販売報酬20%と設定する。

訪問者がアフィリエイターのリンクをクリック(10円の成果)し、何かを購入してもらえればその合計金額の20%がアフィリエイターに報酬として計上されることになる。

なお、恐るべきことにPAPは「2-tierアフィリエイトプログラム」が組めるが、2-tierの場合の子アフィリエイターのレートもこちらで決定できる。「2-tierアフィリエイトプログラム」が準備されていることで、PAPがかなり大がかりなアフィリエイトシステムを想定していることが伺える。

(2)バナーの準備


・Banners - Banners managerを開く

バナーはアフィリエイターが自分のWebサイトやメールに設置するアフィリエイトリンクの素材である。一般的なバナーは画像かテキストが多い。PAPでは6種類のバナーが準備されているが、ここでは「イメージバナー」と「テキストバナー」を作成する。

「Action」部分を押すと編集画面がポップアップする。いろいろな設定があるが、とりあえずターゲットのURL(Destination URL)を入力する。イメージバナーの場合はここで画像をアップロードできる。

(3)アフィリエイターの作成


・Affiliates - Affiliates managerを開く(アフィリエイターは和製英語、英語では「アフィリエイト(Affiliate)」と呼ぶ)

一般的な運用イメージではアフィリエイターは通常、新規申し込み用のサインアップ画面から自己申請し、運営側が申請を受諾することでアフィリエイターの登録が完了することが多い。しかし、このテストでは運営側でアフィリエイターを作成する。

Usernameにメールアドレスを入れる以外、そのほかは適当に。Affiliates managerは新規のアフィリエイターの作成だけでなく、各アフィリエイターの成果統計情報やログイン履歴など、文字通り総合的にアフィリエイターの活動を管理・モニターできる機能が提供されている。

(4)DirectLinksの設定


・Affiliates - DirectLinks managerを開く

アフィリエイトのリンク方法としてDirectLinksを利用する人のみ必要。

DirectLinksではURLにアフィリエイターのIDを付加しないため、システム運用側では訪問者がどのアフィリエイターのリンクから来たのか特定できない。

そのため、あらかじめアフィリエイターのURLやドメイン名をデータベースに登録し、訪問者のHTTP_REFER情報をもとにアフィリエイターの特定を行う。

よって、「(4)DirectLinksの設定」ではアフィリエイターのURLを設定するだけ。しかもワイルドカードの「*」が利用できるので簡単である。

たとえば,www.○○.net/promo.htmlというページにアフィリエイトリンクが設置される場合「http://www.○○.net/promo.html」としてもよいし、もっと汎用性を持たせドメインごと許可する場合は「*www.○○.net*」でもよい。

(5)クリック認識コードの作成&埋込み


・Tools - Integration - Clicks tracking

クリック認識コードはマーチャントページへの訪問者が、どのアフィリエイターのバターをクリックした結果の訪問かを認識するためのスクリプト。

スクリプトを生成し、ターゲットページに埋め込む。スクリプトを生成は「Tools - Integration - Clicks tracking」のページを開くだけで自動的にリストさせているので、その部分をコピーし、ターゲットのhtmlページのフッターあたりにペーストする。

この場合、ターゲットページ「すべてのページ」にペーストせよ、とPAPは注意をうながしている。PAPのオススメは全フッターにいっしょに入れ込んだらどうかと書かれている。

どうせ、多くのシステムの運用者(マーチャント)のページのフッターにはGoogle Analytics用のスクリプトが埋め込まれているであろうから、Google Analyticsの真下にペーストすればよいだろう。

(6)販売認識コードの作成&&埋込み


・Tools - Integration - Sales/Leads Tracking

いよいよシッピングカートに埋め込むスクリプトの準備である。カートによっては動作しないところもあるだろうから、これが一番の難関かもしれない。しかし、販売を管理するにはこれを乗り越えないと今までの努力が報われない。

Quality Unit社もこのへんに気を遣っているのか、世界中のショッピングカートベンダーの仕様を調べ、ショッピングカートごとの個別にサンプルコードを提供している。

しかし、日本のショッピングカートは対象外だ。コード提供カートリストを上から見ていくと、日本で知られているカートは一番最後のZen Cartくらいか。Google CheckoutやYahoo Storesならなじみの名前ながら日本では使われていないのではなかろうか。

そんなマイナーカートの利用社のためには「General solution」(一般的なカート用)が準備されている。通常どんなショッピングカートも買い物が確定した瞬間「ご注文ありがとうございます。」というメッセージが吐き出される。

これは顧客にご注文手続きが完了したことをお知らせすると同時に、マーチャントにとってはご注文が確定・計上されたことを示す。

この「Thank youページ」(「注文確定画面」)にアフィリエイトの販売も同時に確定するようスクリプトを仕込む。

Quality Unit社によれば、だいたいどんなベンダーのカートも「General solution」でスパッと動くそうだ。その実は不明だが、少なくとも「まめまめ」はスパッと動いた。

それが下記のコード(General solution):

<script type="text/javascript">
document.write(unescape("%3Cscript id=%27pap_x2s6df8d%27 src=%27" + (("https:" == document.location.protocol) ? "https://" : "http://") + "www.○○.jp/pap/scripts/trackjs.js%27 type=%27text/javascript%27%3E%3C/script%3E"));
</script> <script type="text/javascript">
PostAffTracker.setAccountId('default1');
var sale = PostAffTracker.createSale();
sale.setTotalCost('★');
sale.setOrderID('★');
sale.setProductID('★');
PostAffTracker.register();
</script>

設定項目は「★」の部分だけである。しかも最低限の必須項目はわずかTotalCostのみ。

利用しているショッピングカートごとにパラメータの形式が違うので、カートベンダーにパラメータを問い合わせておく。

「まめまめネット」なら商品合計は「{ITEMTOTALPRICE}」。オーダーIDは「{ORDERNUMBER}」。

TotalCost(必須) - 商品合計のパラメータ
OrderID(オプション) - 注文番号のパラメータ
ProductID(オプション) - 商品番号のパラメータ(当社では未使用)

本テストでの実際のコード。「まめまめネット」なら「注文完了後メッセージ設定」の中に下記スクリプトを追加する。

<script type="text/javascript">
document.write(unescape("%3Cscript id=%27pap_x2s6df8d%27 src=%27" + (("https:" == document.location.protocol) ? "https://" : "http://") + "www.○○.jp/pap/scripts/trackjs.js%27 type=%27text/javascript%27%3E%3C/script%3E"));
</script> <script type="text/javascript">
PostAffTracker.setAccountId('default1');
var sale = PostAffTracker.createSale();
sale.setTotalCost('{ITEMTOTALPRICE}');
sale.setOrderID('{ORDERNUMBER}');
sale.setProductID('');
PostAffTracker.register();
</script>

なお、スクリプトが長くて嫌いな方は下記の画像表示方式がよいかもしれない。小さくて見えない架空の画像を表示することでスクリプトを呼び出す方式。

<img src="http://www.○○.jp/pap/scripts/sale.php?AccountId=default1&TotalCost={ITEMTOTALPRICE}&OrderID={ORDERNUMBER}&ProductID=" width="1" height="1" >

アフィリエイトシステムの運用者(マーチャント)側の準備はすべて整った。とにかく長かったので息も絶え絶えだ。あとはアフィリエイターの準備であるが、Direct Link方式の場合、実質なにもない。

(続く・・・)

この記事は#7
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