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出版は著者がカネを出す時代へ
  • (2011-01-18 11:31:49)

本の出版は自分売り出しの権威あるツール



本や雑誌はそれ自体が商品として成立し巨大なマーケットを維持してきた。出版を生業としてきたライターさんや出版関係者も多かった。物書きさんや出版業界は多くの若者には憧れの業界だった。

出版には本や雑誌自体の商品性とは別に大きな利用価値がある。論文や書籍の執筆は自分自身や商品を売り出すためのグッドなツールである。しかも何となく権威があってカッコいい。

インターネットが食いつぶす本や雑誌の商品性



しかし、インターネットがこうも普及すると書籍や雑誌の価値自体は下がらないにしても、商品価格としては地滑り的に崩落に向かいつつある。

となると本や雑誌はそれ自体の商品性よりも自分や商品を売り出すためのツールとしての比重が上がっていくだろう。つまり、出版は他の何かを売るための営業コストでありマーケティングコストになっていく。

コストなのでなるべく安くしたい。流通にカネがかかる紙媒体は少なくなり、電子書籍へと移行することは避けがたい。流通コストはトコトン削減し、出版したい人がお金を出し、読者はほぼタダに近い金額でコンテンツを入手できる時代がくる。

出版社の仕事は販売方面は多数の読者を集め会員化して、制作方面は「売り出したい人」を集めて、そして「売り出したい人」のコストで書籍や雑誌を制作してもらい自分たちの会員に販売するというマッチングサービスへと向かうのだろう。

インプレスさんのタダで読める本に驚く



数日前、紀伊国屋で本を買う。ustreamに関するハウツウ本。

自宅に戻ってふとみると表紙に「本書を完全収録したPDFを無料ダウンロード」とある。もちろん、条件はその書籍の購入者が対象。

しかし、どうやって購入者か否かを技術的に判別しているのか知りたくなってアクセスしてみる。

http://dekiru.impress.co.jp/pdf/index.htm

サイトに行ってみると本当にダウンロードできる。障害はわずかに

1)会員登録が必要->でも偽名でもできる

2)本書に関するあまりにも簡単な質問「○○は何ページでしょう?」->立ち読みでも確認可能

つまり、本書を購入していない人でも無料ダウンロードが可能にみえる。だれてもOK、というスタンスに違いない。

これはどういうことだろうか?もしやインプレスさんは紙媒体書籍の販売から撤退し、電子書籍へ軸足を移動中? その準備期間中なのかも考えた。

近い将来の電子書籍出版社としてのプレゼンスを確立するため、つまり知名度とブランドの確立のための大判振る舞いと推測したが、とんだ勘違いだろうか。

※教訓:間口は広く、広く、限りなく広く・・・インターネット時代のマーケティングはこうか?






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