最強ハンドクリームとブランディング
  • (2012-05-08 11:10:25)

ハンドクリームを開発中である。メジャープレイヤーがすでに低価格帯から高価格帯までがっちり押さえている固定マーケットでいまさらなぜ?・・充実しているかに見えるハンドクリーム製品郡の中であるニッチな部分がすっぽり空白になっていると思う。このニッチカテゴリーで製品投下し製品ブランディングが確立できれば参入も可能かもしれない(2012/05/08)

不満だらけのハンドクリーム

社内では水仕事をするスタッフがいる。またスタッフの中には小さいお子さんを育てているお母さんたちも数人。自然、水仕事が増える。彼女たちの手はあかぎれや手荒れを起こし指先はボロボロ。痛々しい限りだ。話を聞けば数々のハンドクリーム試してきたという。

ドラッグストアでワゴンセールされている数百円の量販品から1本数千円のブランド品まで、ウワサを聞いては買い求め試すものの、皮膚をガードするというこの単純な目的を果たす決定的製品がないらしい。「皮膚をガードする」という単純な機能ができていない?

水・刺激・乾燥から皮膚を守る

ハンドクリームの基本は次の3点

・「水」(water):水から皮膚を守る ・「刺激」(irritants):刺激から皮膚を守る ・「乾燥」(dry):乾燥から皮膚を守る

「水仕事から皮膚を守る」= ワセリン

市販ハンドクリームの成分は保湿成分だったりシリコンだったりする。「水仕事から手を守る」「水仕事から皮膚を守る」という機能性ならワセリンに勝るモノはない。

ワセリンは皮膚関連トラブルなら病院で処方されるメジャーな薬だけにほとんどの人が知っているが、インタビューしてみるとワセリンに対してかなりネガティブなイメージがあることも判明した。

・「使いにくい」 ・「ベタベタ」 ・「鉱物由来・石油由来」

つまり製品のテクスチャに負のイメージが付いてしまっている。あんなに効くのにもったいない話である。

技術的には楽勝だが売ることはできない

製品テクスチャは技術的にはある程度簡単に変えることができる。しかし徹底的に変更することはできない。大手ハンドクリームブランドが、ワセリンをあきらめている原因はここにあるのではないのか。

欠点である「ベタベタ感」を、むしろ全面に押し出してこの部分をブランディングのポイントにしてもよいかも。いずれにしても技術的にはある程度問題解決できる。

しかし作ることと売ることはまったく別物。知名度がない・ブランドがない・信用がないの3重苦となれば、開発費も生産原価さえ回収できないと推測される。こんな分野に手を出せばケガして終わるだけの話。

最強ハンドクリームがなぜ売れない?

技術的なハードルは低いので製品は大きなハードルを伴うことなく完成するだろう。そしてその製品は他社のいかなる製品より効果的に皮膚を保護する「最強のハンドクリーム」になるはず。

しかしできた製品は同様に他社製品に対して成分的・技術的な優位性はない。ワセリンはドラッグストアで安価に販売されている。つまり、誰もが自宅で気軽に自分で作れる製品である。

世界最強であっても無名で技術的優位性がない・・こんな製品をどうやって売るのか?

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