< | >

ブログ付きWebフレームワークBaserCMSを試す
  • (2012-09-26 17:33:23)
MySQLではなくsqliteベースのCMSはクール。久しぶりにsqliteベースのCMSを見つけたので速攻トライアル(2012/09/26 小平探検隊)

baserCMS



「CakePHP」をベースに制作された国産のCMSだそうだ。国産と言えば以前SOY CMSを試したが使いこなせなかった。

baserCMSはSOYより簡単でわかりやすかった。CMS経験者には数時間でサイト構築も可能だろう。クールなシステムに仕上がっていると関心。無料で使用できることに感謝。

baserCMSの発想



・コンテンツの制作は「固定ページ」か「ブログ」の2種類しかない。

・SOY同様「ブログ主体の固定ページ付きWebサイト」といった発想が感じられる。ここで言うブログとは時系列型の記事コンテンツのこと。

【メリット】

・固定ページがブログ感覚で簡単に作成できる

・ブログが何個でも簡単に作成できる。

・作成されるページやブログ記事はすべてsqliteに収納されるので、一括変換などテキストデータの編集や管理は抜群。sqliteの代わりにMySQLを採用することも可能。

【デメリット】

・固定ページは階層化できない(個人的にこれは痛い)

・ブログや固定ページは5、6ページ程度でそれ以上になるとメニューからあふれレイアウト的に問題 → 多数のブログや固定ページの展開に課題あり。

・ブログシステム自体が簡易ブログなので大きなコンテンツを扱うに好みが分かれる。WordPressやブログ専用サイトのサービスにお世話になる方を選ぶユーザーも多いだろう。

・フォームメールも付属しているが、私なら他のフォームメールを採用する

小さなテーマを統一感あるサイトにまとめるツールとして最適



ブログはやはり簡易なので気合いを入れたいコンテンツにはWordPressなどと比較するとプラグインや選択可能なテーマの点でちょっと物足りない。

ブログが主体のWebサイトシステムなので、ブログ機能が物足りないとなると採用するそもそもの意味が弱くなる。

コンテンツの種類や汎用性より

→ 統一されたデザイン・

→ 統一されたレイアウト・

→ 統一されたフレームワーク

の中に収まった「統一感のあるシステム」という部分に価値を見いだすユーザーにとって最も恩恵があるシステムと思われる。

小さなテーマに対してこぢんまりと統一感のあるコンテンツ制作には非常にジャストフィットしそうな気がする。

たとえば、会社案内などのコンテンツには手頃で最適な用途かもしれない。必要なことは一通り網羅されておりメンテも簡単。しかも無料。文句の付け所ナシ。

デザイン会社さんに手入れしてもらえば、見栄えもかなりクールなサイトになると思われる。また、デザイン会社さんにとっても手の入れやすいシステムと思われる。

カスタマイズ性は?



どんなシステムでもそれぞれの会社さんに完全にフィットすることはないので、ユーザー側にはどうしてもある程度の妥協が必要だし、製品側は柔軟なカスタマイズ性を備えることが理想。

フォームメールやブログのシステムをカスタマイズしたいが、本日トライアルした範囲ではやり方がわからなかった。カスタマイズしたい場合はソースをガリガリ書き直すようだ。

インストール



(1)ターゲットのフォルダーに解凍したBaserCMSの全フィル(1400ファイル)をアップロード

(2)ブラウザでアップロードしたフォルダーにアクセスするとインストールが始まる

(3)エラーメッセージがでたら従う → 私の場合、「PHP safe_mode を OFFに」と出た

(4)データベースタイプを選ぶ → SQLite3

(5)管理者用アカウントの設定 → デフォルトで「admin」が用意されている

(6)とりあえずCore.Demoでインストールした方がわかりやすい

(7)デザイン変更(イメージ画像の変更を含む) → /app/webrootを丸ごとダウンロードして書き替える

設定方法



(1)「システム管理」 → 「メニュー管理」 → ここで全ページ共通のメニューを作成できる。順番の入れ替えもここで。

(2)「プラグイン管理」 → 「Blog」 → 「新規ブログを登録」 → 時系列での記事投稿型コンテンツはここで作成する。「新着情報」はデフォルトで入っている。「業務日誌」などいいかも。

(3)「固定ページ管理」 → 「新規に登録する」 → 固定ページを作成できる。ここで作成されたページを各ページのメニューに入れるためには(1)「システム管理」 → 「メニュー管理」で設定する。

(4)さまざまな関数が準備されている。便利。使うべし。

たとえば、デフォルトのトップページには次のような関数が埋め込まれている:

<?php $bcBaser->blogPosts('news', 5) ?>

news(新着情報)から5個の投稿記事のタイトルをもってきてくる。

関数のマニュアルは → http://basercms.net/reference_2/index

固定ページの追加と編集



(1)固定ページの本文が、なぜか編集できないトラブル。本文編集では独自エディター(?)が起動する仕様になっているが、そのエディターが起動しない。 → サイトのPHP設定でmbstring.internal_encoding を UTF-8にすると直るようだ。

(2)本文の編集や作成は基本的に「ソース」モードで行う。でないと何も表示されず本文に何が書かれているか全然わからない。はじめは意味がわからず面食らう。クリクリしているうちに「ソース」モードボタンが押されて事情を知る。htmlタグを知らない人向けの仕様と思われる。

私の結論、「小規模サイト用CMS」という矛盾



数時間のトライアルではわからない。このCMSを使用して、実際に何かのサイトを運用してみた方がよさそう。

それで翌日も実際にあるサイトを構築してみた。

その結果、小規模サイズのサイトなら、いつものことながら、結局、プレインhtmlのテンプレートで手打ちで書き上げた方がはるかに柔軟で拡張性があると判断した。

制作速度もプレインhtmlが有利・・・といった感じで私の場合、気持ちは元のスタートラインに戻ってきてしまった。

製品としてはよくまとまっていると感じられる。しかし「小規模サイト用CMS」というテーマ自体が、矛盾を避けがたいのではないかと悩んでいる。小規模サイトにCMSはオーバーヘッドが大きい。

この製品はさらに高度化するだろう。しかし、柔軟で高度なシステムになればなるほど複雑になり、結局、そのシステムを理解するためのトレーニングが要求される。そんな矛盾も悩ましい。

たとえば、デザイン会社さんが、まるでスキルのないクライアントさんに納品する納品物としてなら便利に感じられるかもしれない。

判断は分かれそうだ。






<< 携帯ネットショップ運営の心得< | >LastPass、KeePass、Launch LoginCode相互運用 >>
search
layout
admin

[▲page top]