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フォトショップに目覚める
  • (2009-03-13 09:33:52)
影の画像を増やす操作でフォトショップに関心をもつ

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画像編集ソフトは使用するといっても写真画像のサイズ変更や明るさ、シャープネスの強化程度。フォトショップとイラストレイターというソフトの存在は昔から知っていた。フォトショップ、イラストレイター、QuarkXPressが世界の出版界にDTPという革命をもたらした製品だったことも知っていたが、私にはWordやExcelが使えれば仕事ができたのでDTPは無関係だった。

しかし、冊子の制作をやるようになってすぐにイラストレイターの価値がわかった。それは「技術的な価値」と「環境的な価値(体制的な価値?)」である。技術的な価値とは私にとってイラストレイターとはイラスト作成のためのソフトではなくレイアウトソフトだったこと。1ページものの印刷物の制作にはPageMakerもQuarkXPressもInDesignも必要ない。

環境的な価値とは日本中の印刷会社さんがイラストレイターでの入稿が可能なこと。

私は外資系の会社で一時働いていたのでイラストレイターよりむしろFreeHandの方の名前に馴染みがあった。後で聞けば同じようなソフトで、性能的にはFreeHandがいつも一歩先を行き、他国ではFreeHandの方はむしろ人気があると言う。ところが日本の印刷会社はほぼイラストレイターで決まりである。性能に多少の差があっても印刷会社にFreeHandがなければアウトである。これがビジネスだと思う。

私は今でもイラストレイターでイラストを描くことはできないが、レイアウトソフトとして充分に役立っている。一方、フォトショップはまったく使用してこなかった。イラストレイターで展開されるイラストや絵や図形や文字は相似形で大きくも小さくもできる(ベクター画像)。どこにても配置できる。これぞデジタルという気がする。イラストレイターで描写されたオブジェクトがベジエ曲線という数式で計算された結果のオブジェクトだからだろう。

一方、フォトショップはなんかアナログの世界だな、と感じた。一般的にはイラストレイターのドロー系に対してフォトショップはペイント系と呼ばれる。カンバスに描かれた図形や画像はベジエ曲線ではなく関連性のない点の集合のようだ(ラスター画像)。これをビットマップ画像と言うのか?だから相似形として変形できないし移動もできない。デジタルで処理するソフトなのにどこまでもアナログな世界。なじめなかった。

今回冊子「プロダクトラインアップ」の制作過程でデザイナーから送られてきた画像のある部分(ボトルの影)を増やしたいと考え自分でフォトショップをいじった。ボトルの影部分は個別のレイヤーなので他の画像に影響を受けずに操作できるはずだが、同一レイヤー内では影の独立したオブジェクトではないことが理解できなかった。イラストレイターならオブジェクトは独立しておりそれだけを選択することも相似変形することも可能。

「ボトルの影の増やし方」をデザイナーにケータイメールに質問した。答えは「レイヤーがまだ生きているファイルも送っているので、そのファイルで操作せよ。四角形の選択ツールで影をひとつ囲むように選択し、コピー、ペーストすると新しいレイヤーに影がペーストされる」というものだった。

「ボトルの影」それ自体は選べないこと、選べるとしても完全な選択はない。あくまでも近似値で選ぶしかないという事実を知った。なかなか含蓄があった。刺激とはこういうものだ。

また「レイヤーがまだ生きているファイル」という表現もヒントとなった。

フォトショップとはアナログデータが展開されているキャンバスにデジタルによる手法で操作するソフトで、そのもっともデジタルらしい操作がレイヤーのように感じられた。レイヤーが分かれている限り、レイヤー間はデジタルな世界で、一方同一レイヤー内はアナログの世界と化していると解釈すると、すっきりと納得できる。なぜ、オブジェクトそのものでなくオブジェクトの近似値でしか選べないのかもわかる。

フォトショップはそんなソフトだろうと眺めてみるとイラストレイターとの考え方の違いも感じた。たとえば、イラストレイターのオブジェクトはすべてベジエ曲線だが、最終的に入稿時は「アウトライン」を行うことで画像化される。フォトショップも同じように最終の入稿時はアウトラインが求められるが、フォトショップでは「ラスタライズ」化と呼ぶ。厳密には違う操作かもしれないが、私には同じ操作を違う呼び名で呼んでいるように感じられる。

このようにフォトショップとイラストレイターの操作メニューには統一性がないと思われるカ所がいろいろある。もしやアドビ社はフォトショップとイラストレイターを別々の会社から買い取ってきたのではないかと推測された。

調べてみるとイラストレイターはアドビ社がPostScript開発後自社開発したソフト。フォトショップはノール兄弟の作品で偶然アドビ社が買い取りノール兄弟の兄、トーマス・ノール氏はそのままアドビに移転したとのこと。

トーマス・ノール氏のインタビュー記事を見つけた。彼は写真に興味を持っていて、現像もしていた。

「実際に暗室で現像していると、白の調整で露光、黒でコントラストとか。とにかくこうした作業を暗室でやるのは大変で、・・・」

写真の出来映えは撮影時にほぼ決まるが、細部や完成度は現像で操作できる。フォトショップとは現像ソフトではかいな、これがフォトショップの原型というか、原理というかフォトショップとは何かを的確に物語るように感じた。

写真という点の集まり(ビットマップデータの集まり)を同じく点の集まりで修正するソフト。フォトショップをペイントソフトと呼ぶ人がいるが、フォトショップの原型はペイントではなく「写真データ操作ソフト」であると勝手に結論づけた。

写真データはアナログであり、データの操作の過程もアナログで行い、結果的に出てくるアウトプットもアナログである。そういうソウと理解した。最終的に印刷所に入稿する際は唯一のデジタルなレイヤーはレイヤーを統合で一枚の完全なアナログの画像の世界にしてあげることが必要であることも知った。

今回フォトショップを操作して勉強したこと

・グラデーション

・トーンカラー

・レイヤー統合

・乗算

・選択範囲

もっと仲良く付き合いたいソフトかもしれない。






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