McDonald's33, vastly different now
★マクドナルドを世界最大のレストランに発展させたレイ・クロック(Ray Kroc)の著書『GRINDING IT OUT』(紡ぎ出す)から抜粋。現代資本主義型ブランドのケーススタディ。(20203040) 今日は、企業が組織化される課程で生まれる宿命。(2013/07/27)


組織の発展と取り残される人々


レイは、マーケットを独占するためにマクドナルドの組織全体を巨大化することに邁進していたが、一部のフランチャイジーからは不満の声も聞かれるようになった。

レイやフレッドといった会社トップに直接電話して話せる関係だった会社の社内では、あっという間にそれぞれ専門の部署が形成される。初期から存在する多くの社員やオペレーターが「古き良き時代」(the good old days)は失われたと感じる。人の平均的な心理だろう。

遅れてフランチャイズに参加するオペレーターにはそれは普通に思えても、初期の時代から苦労を分かち合ったスタッフやオペレーターには、取り残された寂しさや喪失感は避けがたいだろう。


発展はよいことだ!


McDonald's is vastly different now from the company it was back in the early days, and that's good.

(会社は大きく変化したし、それはよいことだ)

Jobs that one of us used to handle in a few minutes of spare time each week have grown into whole departments with hundreds of people on the staff.

(以前は、創業メンバーの誰かがついで仕事でやっていたものは、それぞれ数百人規模の部署へと変化していった)

They longed for the good old days when they could pick up the telephone and talk to Ray Kroc or Fred Turner to get help with their problems.

(彼らは以前は、直接レイ・クロックやフレッド・ターナーに電話して助けを求めることができた時代を懐かしんでいるだけ)


哀愁歌「会社は変わった」


オペレーターと人間同士の付き合いをしてきたレイにとっては、フランチャイジーの数が多くなれば、各オペレーターはマシンの微細なパーツでしなかくなるはずであり、これは巨大化した組織の避けがたい宿命。

一部のオペレーターはMcDonald's Operators Association(MOA)を組織して会社に圧力をかける行動も始める。MOAは、組合組織のようなものと思われるが、これが結成された最大の要因はフランチャイズのライセンスが20年で切れることが大きかったようだ。

MOAのニュースレターにはこのような記述が:

The company has changed. If you don't fight back you will be kicked out when your franchise expires, and the company will take over the store.

(会社は変わった・・・今、闘わなければキミたちは追い出され店は取り上げられるだろう)

「The company has changed」が、昔のマクドナルドが、いかによかったかを物語る哀愁のように聞こえてくる。これに対してレイは「ナンセンス」と一刀両断。なぜならマクドナルドは30%以上の直営店は展開しない方針で、良質なオペレータを失うことは「愚の骨頂」(the height of folly)と断言。


力関係、ライセンス問題


初期のフランチャイズ契約は20年契約で、初期フランチャイジーの契約が1970年代に切れたとき、その再契約条件は格段に厳しくなっていたはずである。またマクドナルド社の経営判断としては当然あり得る話だが、その時点で不良オペレーターからフランチャイズライセンスを取り上げることも考えていただろう。いずれも記述されていないので憶測だ。

これは多かれ少なかれ、急激に発展したどこの組織にも見られる光景で、近年の日本なら、大手ショッピングモールの楽天が、このような構図とプロセスで成長している典型的事例に感じられる。


事前の覚悟と事前の対策


もし自分がオペレーターなら、会社が成功し組織が巨大化することは、経済的安定を意味するものの部品として心理的な地位の低下は避けがたいことを認識しておくべきで、どのように所属組織と付き合っていくのか、組織内で上流を目指すのか、体制の中で自分なりのメリットを見つけ出すのか、水飲み百姓のように生きていくのか、それともスピンアウト・独立するのか、そのへんの覚悟と予測は必要だろう。

もし自分が経営者なら、組織の巨大化は、新規参入メンバーは体制に順応するだろうが、古い時代からのメンバーに関して言えば、多かれ少なかれメンバー間の亀裂と対立は避けがたい。レイの場合、マクドナルドのもともとの創業者は自らの判断で身を引き、片腕のハリーは野に下り、ハリー派閥の役員達も雲散した。ジューンは名誉職に送り出された。そのほかのオールドピープルも不幸のうちに去った人は多いだろう。

ムダな対立を最小限に止めるためには、事前の了解と対策が重要だろう。

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  • (2013-07-27 06:39:57)
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