Q&Aサイトは、ステマ対策が生命線
今年インターネットでは「食べログ」事件で「ステマ」というコトバが一躍流行語に。ECサイトの運営者なら常識だったステルスマーケティングが一般にも広く認識されるキッカケとなった。ステマ汚染に関しては口コミサイトはおおむね汚染が進み、現在はQ&Aサイト・ナレッジコミュニティがステマの舞台になっている印象を受ける。汚染が進めば消費者の信頼と熱意そのものが失われる(2012/05/06 小平探検隊)


珍しく日本で先行したQ&Aサイト


2年くらい前に米国QuoraというQ&Aサイトが日本でも報道された。

すぐに提灯記事がネット内で溢れそのどれかを私も読んだ。Q&Aサイトなら日本にはすでにたくさんあるし、記事にもそう書いてあったように記憶している。

Quoraは、たんなるQ&Aサイトでなく実名による「SNS型Q&Aサイト」なんて記事を読んだが、まあ、そのへんは不勉強だ。

しかし、Q&Aサイトというのは、インターネットのコンテントとしては大変おもしろいし、人々の知識がノーコストで自然集積する優れたシステムだ。

大げさに言えば人類の宝。

それが、米国よりも先に日本で流行したという事実が、すべてにおいて米国に先を越される我ら日本人としては晴れ晴れしい気分だった。


驚愕した「はてな人力検索」


数年前、はじめて「はてな人力検索」を試した。AccessのVBAプログラミングでわからないことがあり、苦しんだ末の質問投稿だった。

数時間後、知らない人からパーフェクトなコードが来た。それは完璧なコードでそのまま動作した。

このコーディングを外部の開発会社に依頼したら、説明するための無駄な時間と労力とひっくり返るような料金が発生しただろう。

返答に対して、200ポイント(円換算で200円)くらいお礼をしたと記憶している。実社会のコストに比較すれば実質的に無料。その日、日記に「インターネットの凄さを体験した日」と書いた。


しかし、バラ色Q&Aサイトは全部バラ色とは限らない


すっかり味を占めて、それからQ&Aサイトで質問するようになった。数を重ねて傾向や問題点も見えてきた。

一つには、Q&Aサイト参加者の属性が偏っているため、回答もその傾向がはっきりしている。つまり、インターネットやプログラミング関連の問題は、参加者層が厚いためか非常に有用な情報が得られるが、他のカテゴリーではそうでもない。

ベンチャービジネスやスモールビジネス関連は、参加者は決して少なくないようだが、回答者の返答は、明らかに経験不足が否めない。

たとえば、ベンチャー企業を創業するにあたり「ベンチャーキャピタル」vs「銀行融資」、どちらが有利?といった趣旨の質問があった。

ベンチャーキャピタルから出資してもらえそうな気配だが、銀行融資の方がいいのか、メリットとデメリットを求める内容だった。

銀行融資は結局、返済しなければいけないのでベンチャーキャピタルがよいといった返答などが寄せられていた。

スモールビジネスの入門書に書いてあるまでもなく、書かれていなくてもわかりそうな内容で質問者の期待するレベルから数段低いのではないか、さぞがっかりしただろうと空想した。


進んで教えるプロは少ない


この哀れなQ&Aについて考えると、リアルな返答ができる人は、相当数いるのではないかと思う。

特にベンチャービジネスなど企画するような人間なら、世間のQ&Aが集まるQ&Aサイトの情報にもある程度敏感だろう。

また、相当数の人が毎年ベンチャービジネスを立ち上げ「ベンチャーキャピタル」vs「銀行融資」を体験しているはずである。

しかし、リアルな返答は皆無。なぜか?

私はこう思う。プロはそう簡単に自分のアイデアや情報を見せびらかしたり、人に教えたりしないもの。様々な事情や価値観や信念があると思うが、プロの口は概して重くなるものである。

不特定多数の人に自分の考えを公開するモチベーションの問題になるが、プロは自己満足では行動しないし、軽率な発言に対するリスク管理も脳裏をかすめることだろう。

それを物語るように、私自身、納得や満足がいく返答は、最初の質問以外、ただの一回もなく今では質問自体Q&Aサイトに投稿する気にならない。自分の中で、大手のQ&Aサイトは現状ほぼ関心がないシステムになっている。


上位表示にやたら強い大手Q&Aサイト


しかし、Q&Aサイトは、SEO的には大変強力である。Googleも人々の「集合知」としてQ&Aサイトを非常に高く評価しているようだ。

様々な検索で軽々とトップページに食い込む。しょぼいへ返答もトップページにくることが珍しくない。検索エンジンには回答の質までは評価できないから当然である。大手Q&Aサイトのコンテントというだけでよい。

この事情が逆にSEO対策会社のターゲットとなっている。

ちょっと古いが昨年の記事、Yahoo!知恵袋で自作自演マーケティング?では、Q&Aサイトが、ステマの温床になっている事例をスモールビジネス運営者の体験として書いた。


Q&Aサイトのキーワード関連広告とステマ対策


Q&Aサイトもステマ汚染が進んでいる。それを証明する手段も根拠も存在しないが、我ら消費者は薄々感じており、インターネット住民の熱意は、Q&Aサイトから引きはじめている気がしてならない。

先日、久しぶりにQ&Aサイトで簡単なプログラミングな質問をしてみた。返答は未だない。参加者の人数も陣容も熱意も下降曲線を緩やかに下る印象を受ける。

しかし、集合知としてのQ&Aサイトは依然有用なシステム。

今後は不特定多数の人々が集まるシステムとして既存の大手Q&Aサイトと平行して、専門分野のQ&Aサイトや、一定のクローズドな集団専用のQ&Aサイトが間口を小さく内部に深いQ&Aサイトが新興したり新しく生まれてくる可能性を感じている。

いずれのQ&Aサイトにしても、GoolgeがSEOスパムと死闘するように、ステマ対策がQ&Aサイトの信頼維持の生命線になる気配だ。

Q&Aサイトのキーワード関連広告などはかなり収益性の高い広告システムになるのではないだろうか。私なら出稿したい。

収益があげられるシステムならステマ対策費用も捻出できる。今後のQ&Aサイトのステマ対策に期待したい。

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  • (2012-05-07 18:30:24)
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